【黒子のバスケ】宮地家のお姫様2

78話 ページ35

『高尾君のが真ちゃんの事分かってるからなんだけど、もう真ちゃんは高尾君を認めつつあるよね』

内輪を仰ぐ手を休めずにそう言うと彼はどうしてーと返してきた

『あれ以降試合の様子を見てないからなんとも言えないけど他人に左右されない真ちゃんが心配してわざわざここまで高尾君を探しになんて来ないよ』

返答は無いけどさらに続ける

『それとマネの私が言っても仕方ない事だけど、口でとやかく言わないで人一倍練習して努力を惜しまない高尾君はすごくカッコイイよ！』

決して励ましにはならないけど思ってる事をそのまま伝えてみた

するとタオルを少し下にずらし寝っ転がった状態のまま私を見つめてきた高尾君は「ありがと…」っと
嬉しそうに笑ってくれた

「全くAちゃんには敵わないぜw」

しばらく休んでいるといつもの軽口が出るようになったので体育館に戻ることにする

道中彼とはいつも通り他愛ない話をしているが
体育館の入口に差し掛かった所で立ち止まり私の方を見た

「さっきは酷い事ばっか言って本当にごめんな…それでも俺の事看ててくれて嬉しかったありがとな」

軽い感じの言い方ではなくすごく真剣にそう言う高尾君。
いつもと違う様子にちょっとキュンときてしまう。所謂ギャップ萌えというやつか？

『私こそごめんね？高尾君の気持ち考えないで喋っちゃって…』

もっとうまい事言えれば良かったのに

「そんな事ねーって！あっそうだAちゃん、俺の事も名前で呼んでよ〜真ちゃんばっかりズルい」

突然話が変わり、彼の申し出に一瞬戸惑った私

いきなり名前呼びのお願いとかどーしたんだ…
まぁでも特に断る理由もないので

『和成君！んーあっ和君は？』

逆にあだ名を提案する

「おっ！和君イイねっw」

『じゃあ、和君って呼ぶね！』

そうしてじゃーなと秀徳の方に戻っていった和君を見送り、私もリコ先輩が全く誠凛側に戻る為歩き出した

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