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引き寄せられる ページ21

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これまたどうしてか
彼は捨て犬の如く哀しげな顔で私を見つめてそう言った


時間ないよぉおお!!

迫り来そうな泉をどこからか感じて即座に首を縦に振った私

正解なんてわからないけれど

「わかりました!」
「敬語もやだ
同いだろ」
「わ、わかった!からもう行くね!」


チン、とエレベーターが到着する音と共に背を向けて乗り込んだ

「じゃな〜」

くるりと振り返るとさっきの捨て犬はおらず
大型犬が尻尾を振る様とそっくりで、つい失笑してしまった
私は小さく手を振ってエレベーターのボタンを押した






「ごめん泉くん!」

エレベーターを降りてすぐ、彼の姿が見えて駆け寄ると、彼は眉間に皺を寄せたまま

「待ってない」

と答えたものの、不機嫌…!!

「泉くん、なに食べる?私シナモン久しぶりで…」

「メニューもまだ見てないのに、決められないでしょ」

「ハイ」

話を振ろうにも彼の棘が刺さりに刺さりまくって痛い
そんな中、明るく話しかけてきたのはシナモンでバイトをする椎名くんだった


「いらっしゃいませ〜
あ、瀬名くんと事務員さん!珍しいっすね!あれ?瀬名くんなんか良いことでもあったんっすか?」

この人相でなぜ良いこと?!驚きのあまり声が出そうになるも、泉の態度は変わらぬまま

「はぁ?全然ないね!いいからあっちの空いてるとこ行くよ!」

「またまた〜
事務員さんは何かご存知じゃないっすか?」
「知りません…っ!寧ろ私には不機嫌様々のようにしか!」

椎名…彼も燐音と同じく挑発するタイプ…否無意識挑発タイプなのか!!

「え〜そうっすかね〜
眼がなんかキラキラというか…なんかハッピーな感じっすよ?」

「Aー?そこでだべってないでこっち来なよね」

「え?え?あれのどこか…」

椎名くんに言われてチラチラと目元を見つつ観察する

「季節の彩どり野菜パスタ…ふぅん、サラダチキンならいいかな」

メニュー表を見ている泉の視線が、私に映った

「Aは何にする?
これなんてどう?ヒレカツは脂身少ないから良いし…って聞いてる?」

「あ、うん、雑穀米だし、良いね…」

きらりと光る泉の瞳が、和らいだ

「ひとくち貰うからね」

「うん、良いよ」

「その余裕な返しむかつく〜」


口はすごく悪いし、態度もつんけんしてる
でも、それは全部私が彼の眼を見れていなかったからだ


焦ってばかりの私の勘違い

「あ、泉くん電話ありがとう
お陰で助かっ」
「今天城の話はウザい」

ごめんやっぱ嘘
怖い

その感覚は→←離したいのに



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みんじろう(プロフ) - 遥斗さん» 遥斗さん!ご指摘ありがとうございました!全く気づいてませんでした💦すぐ訂正させていただきました!感想もとても嬉しいです(^^) (2022年10月13日 3時) (レス) id: acc7c19a08 (このIDを非表示/違反報告)
遥斗(プロフ) - 面白かったですが、変換二つとも機能してないですよ〜! (2022年10月13日 1時) (レス) id: 2872b3e107 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みんじろう | 作成日時:2022年5月30日 1時

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