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その手は ページ19

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「あーん俺のカブトムシちゃ〜んっ!」


「燐音先輩と帰るの恥ずかしいね!」
「そうっスね、タオルで口元縛りましょうか」
「ジュンくんの汗を含んだタオルだと息が出来なくて死ぬね!僕は犯罪者になりたくないからジュンくんだけでやるなら構わないね!」
「おひいさんごと縛ろうかな…」

「Aちゃーん!式の日取り決めとけよ〜!」

「煩いっス」
「煩いね!」

ぎゃはは!と高笑いをする燐音を、ジュンと日和は引きずるようにして去っていった


彼らのパワーに満ちる明るさで眠気も飛んだ私は、軽い足取りで帰路に着いた

****




「本当に事務員だったんだね!」


明るさ…明かり…太陽そのものと言っても過言ではない日和の存在で、出社早々私のHPは削られた


「巴さん、疑ってたんですか」


「それはそうと、カブトムシはもうやめたんだね?
僕はあの髪型、君に割と似合っていたように思うけれど…そうだ、ピンは持ち歩いているね?」

「あ、ハイ…一応」

日和の眩しさと迫力にやられた私は、逸らされた話なんかよりも、彼の広げられた手の上にピンを置くことの方がなんだか重要に思えて、すぐさまピンを手渡した


「君はこんな前髪よりも、せめて三つ編みにして流してあげるといいね!」

彼の指先すら眩しいソレに私は目を閉じて終わるのをただただ待つことしか出来ず、クイッとピンが差し込まれた感覚がきた途端、目を開けた



思わぬ彼のご尊顔の近さに目玉が落ちるかと思った矢先、強く引かれた身体と、聞き慣れた声にとうとう目玉はころころと


「落ちてないから探さない!
巴、Aに何の用?」

整えられた前髪は、突然現れた泉の手によって解かれた


「彼女の髪型が気に入らなくて、変えていた所だね!
折角綺麗な顔なのに、勿体ない…泉くんもそう思うね?!」

「Aはこのままでいいの!これ以上干渉しないでくれる?そういうの超うざぁ〜い」

「泉くんギャルかね
巴さん、泉がすみません」

謝る私に日和は少し考えた素振りをしたあと、にっこり笑った

「昨日のカブトムシの方が断然顔も明るく見えるし良かったね!また燐音先輩にしてもらうと良いね!!」

じゃあ僕は行くね!
と太陽は大きな隕石をぶちまけて去っていった


ゴゴゴゴゴゴゴ…と太陽に引火された泉の方を振り向く事なく、私も事務所のデスクに移動したかったがそんな願いは叶わなかった

「A〜〜〜〜?」
「け、血圧上がるよ泉くん…」

「遺言はそれでいい?」
「ごめん」

離したいのに→←溶けていく



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みんじろう(プロフ) - 遥斗さん» 遥斗さん!ご指摘ありがとうございました!全く気づいてませんでした💦すぐ訂正させていただきました!感想もとても嬉しいです(^^) (2022年10月13日 3時) (レス) id: acc7c19a08 (このIDを非表示/違反報告)
遥斗(プロフ) - 面白かったですが、変換二つとも機能してないですよ〜! (2022年10月13日 1時) (レス) id: 2872b3e107 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みんじろう | 作成日時:2022年5月30日 1時

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