クッキー【シグマ】★美紅さんリク ページ12
シャカシャカシャカ…
厨房内にて液体をかき回す音が響いている。
混ぜているのはAである。
Aは、天空カジノの侍従長の黒騎士だ。
いつも兜を被っていて寡黙だが、シグマに信頼されている。
そんな黒騎士であるAが作っているのはクッキーだ。
何故クッキーを作っているのかというと、単にシグマの大好物だからである。
この頃、天空カジノでの仕事が増え、滅多に休憩が出来ないシグマの為にクッキーを差し入れようと考えたのだ。
そのために、先程から厨房を少し借りてクッキー作りをしている。
そうこうしている間に生地の型抜きが終わった。
意外にも、厨房に星やハート等、様々な形の型が見つかったため、折角だからといろんな形のクッキーを作ることにした。
オーブンに生地を均間隔に並べていき、暫く加熱をする。
早急に片付けを終わらし、椅子に座って待っていると、厨房の扉が開いた。
???「取り込み中だったか?」
そう言って入ってきたのは天空カジノの総支配人を務めているシグマだ。
『……い、いえ』
少し動揺の色を見せているAが言った。
シグマは、そんなAのことをチラチラと見ながら思っていることを口にした。
シグマ「お前、…女だったのか?」
その言葉を聞いた途端、Aの顔が少し赤くなる。
シグマの質問は妥当だった。
何時も、重そうな兜を被っているAはまるで男性で、凛とした佇まいから、そう思い込んでいる人も少なくないだろう。
そんなAは、料理の邪魔になるため兜を外していた。
『な、何の用でしょうか…?』
話題を変えるようにAが尋ねる。
シグマ「あぁ、資料を届けに来たんだ。さぁ、今度は私の質問に答えてくれ」
流石に騙されなかったようだ。
Aは観念したように、はいと答えた。
それを聞いて、シグマは少しそっぽを向く。
オーブンが鳴った。
焼き終えたようだ。
素早くクッキーをオーブンから取り出す。
匂いに釣られ、シグマがAの方へ近づく。
シグマ「クッキーを作っていたのか…」
良い具合に焼けている。
これなら総支配人も喜んでくれるだろうか?
『ここ最近、忙しくて休みが取れていなかったでしょうから差し入れです』
そう言ってシグマに出来上がったクッキーを押し付けるようにしてAはその場を立ち去った。
一人取り残されたシグマはAの背中を見つめながら、秘かに想いを寄せていた。
…×……×……×…
いかがでしょうか?
直し等があれば教えてください。
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嘘つきピエロ - 星君さん» コメントありがとうございます!不定期ではありますが、頑張りますね! (2020年10月18日 19時) (レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
星君(プロフ) - 嘘つきピエロさん» 更新お疲れ様です!いつも楽しく見ております!これからも頑張って下さい! (2020年10月18日 18時) (レス) id: c3a80fd7f2 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 嘘つきピエロさん» そうですか… (2020年9月13日 0時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
嘘つきピエロ - 美紅さん» 僕、掛け持ちとかいろいろあるので、リクエストの受付を減らそうとは考えていますね。すみません (2020年9月13日 0時) (レス) id: f059c2a2b0 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 嘘つきピエロさん» リクエストは中止? (2020年9月13日 0時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:嘘つきピエロ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/33104274/
作成日時:2020年7月24日 22時