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周りには建物ばかりだし、身長が低いのもあって火影岩が見えない。
火影岩が見えればなんとか火影邸には行けると思ったのに。
あぁ、何て絶望的なんだ。
日は傾き始め、自分よりも大きな影が私の後ろにいた。
どうしようかなぁ。
取り合えず、ここに居てもしょうがないよね。
何処に行ったら分からないけど、歩くことにした。
私も屋根の上乗れたら･･･。そしたら今何処にいるか分かるのに。
･････････ん？
もうこれしか方法がないと考えた私は、出来ないと分かっていながらジャンプしてみることにした。
どうせやったところで30センチ位しか跳べないんだろうけど。
やってみるくらい、いいよね･･･？
チャクラを使うことは禁止されてるから、コントロールの仕方とかは全く分からない。
まず、チャクラをどう発生させるのかも分からない。
言ってしまえば自分にチャクラが本当に存在しているのかさえ分からない。
うんと、もう、適当に跳んでいいよね。考えてもしょうがないよ。
だって分かんないんだもん！！
跳べないと分かっていながら意識をなんとなく足に集中させた。
『せぇーのっ！！』
手を振れるだけ大きく振って、思いきり地面を蹴った。
嘘、私跳んでる！？？
一瞬で終わるはずだった浮遊感は長くて、気づけば屋根の高さまで跳んでいた。
しかし、跳ぶことにしか意識がなかった私は着地のことは１ミリも頭になかった。こんなこと起こるはずないと思っていたから。
着地しなきゃ！と頭が働いたときにはもう遅くて、屋根の端に足が触れたが、そこに留まることなくそのまま足を滑らせた。
あ、私死んだ。
ここへ来るときあった事故の衝撃を思い出し、あの痛みをまた経験するのかと、体が強ばった。
これはパパの言いつけを守らなかったからでしょうか。
チャクラ使っちゃった、からかな。
私は固く目を瞑ることしか出来なかった。
「危ないっ！」
そう最後に聞こえた。
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作者名：きゃおる | 作成日時：2022年9月24日 1時
