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「ワシの娘じゃ!」
「・・・・・・は?」
『・・・・・・・・・!』
くいっと手を引かれたかと思えば、いつの間にか私はパパの片腕に乗っていた。
バランスを崩さないように、近くにあるパパの胸辺りの着物をつかんだ。
「自来也お主、何をしとったんじゃ・・・・・・」
「な”!?ちゃんと任務してたわい!!」
3代目は哀れむような目をしていた。
やめて!お願いだからそんな顔しないでっ!
ってかパパ敬語忘れてるよ!
“お主がそういうやつとは知っていたが・・・。しかしこれはのぅ・・・・”と言われ、大慌てなパパ。
それはまるでその言葉を肯定しているように思われる。まぁ…、私を一人宿に残してキャバクラみたいなところ行ってるしね…
軽蔑の眼差しを送り続けられているパパが段々可哀想になってきたので助け船を出す事にした。
『わたし、こじだったんです。』
「!?」
「っ!A!!」
『ひとりのわたしをひろってくれたんです。』
眉を寄せて悲しそうな顔をするパパ。
ほらねやっぱり。パパは優しいなぁ。
さっきから火影様に何を言われても、違うと否定するだけで言い返したりしなかった。
私を拾った、血の繋がりのない赤の他人だと言ってしまえば直ぐ済むのに。
そうしなかったのは、私が悲しむとそう考えたからだ。
その証拠に今も険しい表情をしている。
パパが悲しい顔してると私まで悲しくなるから、パパを安心させれるように精一杯の笑顔で“わたしはだいじょうぶだよ”と言ってみせた。
そうしたら驚いた表情を見せたけど、今度は優しく微笑んで、私が乗っていないもう片方の腕で頭を少し乱暴に撫でられた。
「まぁ、そういうことじゃ。
今ではワシの大事な愛娘だがのォ!」
パパの目は細められていて、本当に自分のことを思ってくれているのが分かった。
“だいすき”と言葉にするのは恥ずかしくて、パパの首に腕を巻き付けた。気持ちが伝わるように、少しだけ強く抱きついた。
「そうだったのか・・・。
悪かったのぅ。」
火影様の声が部屋に響いた。
その声はとても重たかった。
「謝るならAに」
パパの声もいつもより低くて体が強ばった。
火影様へ顔を向けると、自分の目の前に両手を広げて立っていた。
これは?
ちらっとパパを見ると目があって、こくりと頷かれた。
これは、良いように受け取っていいのかな??
パパに巻き付けていた腕を、火影様へと広げた。
これでいいんですよね、?
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作者名:きゃおる | 作成日時:2022年9月24日 1時