My Days in Hospital [Storm] 6 (ページ36)

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side S

｢え、それマジの話…？｣

｢こんな夢みたいな話真面目にすると思う？｣

夢だと思いたいマジな話が耳に飛び込んできて一瞬固まってしまった｡

ニノと智くんがAから直接今まであったことを聞いてきてくれて今そのことについて報告を受けた
最初聞いたときはほんとに信じられなくてフリーズした｡
だって院内で､ましてや小児専門の病院で…？

普通ありえないだろ…

でも話を聞いて､何故診察等の際にAに触れることを極端に拒否されたのか､頬についていた殴られたようなあとがあったか､そして病室の外に出ることを拒んでいたのか、全て辻褄があった｡

最近は不安定だけど熱も下がってきたから気分転換にと病室外に出てみることも視野に入れてって雅紀や潤に伝えてたんだけど､2人から､病室出ようとしたらすごく怖がっちゃって泣いてて全く出れる状態じゃないって話を聞いていた｡

とりあえず全部話は聞けたしAの様子見に行くか

｢A～｣

病室に入ると一瞬誰が来たのかと肩を震わせて怯えてたけど俺だってわかると少し肩の力が抜けたっぽい｡
拒絶もそれほどされなくなって一安心｡

それどころか

｢あー、はいはい抱っこな笑｣

すぐに抱っこを要求された笑
抱き上げてから病室内を歩き回ろうと立ち上がったけど

｢んーん、違う違う｡外出ないよ？病室(ここ)の中だけ｡｣

やっぱりすぐに暴れ始めた｡
説明するとすぐにおさまったけど…

とりあえず話してみるかな

｢A、大野さんとニノから話聞いた｡最近Aの様子が変だった理由｡｣

話を振ると一気に強ばる身体｡
安心させたいという意味もこめて背中を摩る｡

｢ごめんなAー、すぐ気付かなくて｡ずーっと怖かったもんなぁ…｡｣

ここまで話すとAは目に涙をたくさん溜めて､そして溢れ切ったものはすぐにぼろぼろと頬を伝って落ちていった｡

｢でももう大丈夫｡Aのことは何があってもずーっと皆で守るから｡もうこんな怖い思いさせないから｡｣

涙を拭ってあげながら額をくっつけて言い聞かせてやると､泣きながらも本当に微かにだけど口角を上げてくれた｡

とりあえず一段落つくかな｡

あとは病室の外に出ることの練習｡

ずっと病室にいるだけだと運動も出来ないし､ましてやナースステーションにも来れないというのはこれからのことも考えると…

皆でまた会議だなー

Aをどれだけ怖がらせずに尚且つ外に出る楽しさを思い出させられるかが勝負かな