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22 PM 4:34 夢主side ページ46

放課後、東館3階。

空き教室が多いこのフロアに
私は用があって来ていた。

…多分、みんな面白がっているんだ。

「Aちゃん!あのね、文化祭の必要書類で今日までに出さなきゃいけないのがあるんだけど…私、今日忙しくて!生徒会室まで出してきてくれない?」

帰る間際、突然駆け寄ってきて
そう言ってきた委員長(女子)とその取り巻きに嘘でしょ?と言いたかったけれど飲み込んだ。

だって、お昼休み
黛先輩のところから帰ってきたときに

「今日カラオケいく人〜?」

と委員長は呼び掛けてたから。

一応クラスの委員長でしょ!?
文化祭近いのに、仕事しないでどうするの!?

だけど、そう言えるほど私も強くない。

いいよ、出しとくね。と書類を受け取ったとき
委員長らは含み笑いを浮かべていて。

私は苛つきを愛想笑いで隠した。

彼女たちの含み笑いの理由。
それは、この時間帯の生徒会室には
確実に赤司くんがいるから。


絶対に面白がってるよ。
憂鬱だ。早く帰りたい。
ちゃっちゃと出して帰ろう。

そう思ったのに………。


「ねぇ〜征?」


ドアをノックするその直前。
部屋の中から聞こえた女の子の甘い声に
私は動きを止めた。


……征?


「征〜聞いてる〜?」

「…すまない。考え事していた。何だ?」

「今度デート行こうよ〜」

「…忙しいから無理だ。」

「え〜?大会終わったじゃん〜」


聞き耳をたてちゃいけないことくらい
分かってる。

でも欲には勝てなくて
気づいたら私は耳を澄まして
赤司くんと女の子の会話を聞いていた。

そして、暫くして気づく。

この声…確か生徒会副会長の子だ。
物静かな女の子に見えてたけれど……
こういう子なんだね…。

それに、赤司くんの事、征って……。



「もぅ、たまには婚約者の事も構ってよね!」



バサバサッ―――


嘘……でしょ?


副会長の子の発言に驚いたのと
それによって提出書類を床にぶちまけたのは
同時だった。

ヤバい…!!絶対にバレた!!

急いで書類を拾い上げていると引き戸が開く。


「………A?」


…立ち聞きとは人聞きの悪い。
そう言われると思っていたのに。


私の名前を口にした人の瞳は
困惑で揺らいでいたんだ。



――ねぇ、なんでそんな顔で私を見るの…?
困惑してるのはこっちだよ。


『これ…提出書類。』

「…ああ。ありがとう。」

『…邪魔してごめんね。じゃあ。』


私は足早に、その場を立ち去った。


赤司くんの顔は最後まで見れなかった。

22 PM 4:36→←22 PM 1:20 黛side



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設定タグ:赤司征十郎 , 黒子のバスケ   
作品ジャンル:アニメ
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アル(プロフ) - マナさん» マナさん温かいコメント本当にありがとうございます。お返事遅くなってしまって申し訳ないです…とても褒めてくださり、本当に本当に嬉しいく思っています!ありがとうございます!また続編の方も更新しましたので見ていただけると幸いです。。。 (2018年12月24日 0時) (レス) id: be6ab72684 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - はじめましてマナと申します。設定が面白くて一気読みしてしまったので、普段はコメントしない派なのですがお邪魔してしまいました。本当に発想力をわけていただきたいくらいです(笑)続編も読ませていただきますね。他作品も更新頑張ってください。応援してます! (2018年11月1日 23時) (レス) id: 4d017985c7 (このIDを非表示/違反報告)
アル(プロフ) - ホノボーノさん» ホノボーノさんご指摘本当にありがとうございました!言われるまで全然気づきませんでした。ごめんなさい。即修正しましたので赤司くんの名前を呼んでいるところはないと思います。本当にありがとうございます。以後気を付けます…。 (2018年4月24日 12時) (レス) id: 4bb3709ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ホノボーノ - 赤司とよんでわいけないところで赤司と呼んでいましたよ。 (2018年4月23日 23時) (レス) id: d691122adb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アル | 作成日時:2018年3月23日 14時

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