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第119Q ページ4

タイガは勢いを殺しきれず、ナッシュに接触。

体幹をぶらすことなく、ナッシュが放ったボールはくるくるとゴールリングで回転し、そのままネットをくぐった。

「バスケットカウント!!

ワンスロー!!」




強すぎる。

いや、それ以上に...

一週間前から、彼には驚かされてばかりだ。

知らないことだらけで、今更彼が何をしようとも、何を言おうとも、もう悲しんだり驚いたりすることはないだろうと思っていた。

それでもダメだった。

本当にそこにいるのは、私の知っているナッシュではない。

別人同然だった。

「東条先輩...!」

(聞こうとしないで...

今の私を見ればわかるでしょう?)

何も知らないんだってば...

コートから目をそらすように、私は目を固く瞑って俯く。

震える唇を強く噛み締める。

もう、見ていられなかった。




「3人の誰か、ゴムいっこちょーだい」

突然頭上から声が聞こえてくる。

敦だった。

不意に聞こえてきた声にびっくりして、咄嗟に私はポニーテールに結い上げていた髪を解き、ヘアゴムを渡した。

「さんきゅ」

そう言った敦は、私のヘアゴムで長く伸びた髪をまとめる。

「てゆーか勝算ってナニ?

勝つしかねーんだったら、死んでも勝つだけだし」




試合再開。

ナッシュのフリースローは見事に決まってしまった。

残り6分半。

8点差。

真太郎が詰めてくれた点差が徐々に開き始める。

ボールは真太郎から敦へと渡った。

ゴール下の押し合い。

気合いを入れ直した敦とシルバーの一対一だ。

『ハッ、なんだぁ!?

まさかオレ様と一対一で...』




ガガンッ!!




「おおおスゲェ当たり!!

Cの力対決...!!」

敦は諦めていなかった。

シルバーのパワーが自分より勝っていることなど、もうとっくにわかっているはずだった。

やはり押しこめない。

だが、敦の強さはパワーだけではない。

素早くシルバーを躱し、ダンクを決めようと跳び上がった。

『おおら!!』

しかしスピードでも敦はシルバーには勝てなかった。

シルバーは敦に瞬時に追いつき、ボールを叩き落とす。

(力任せになって勝てないことなんてわかってるはずなのに...

一体何考えてんのよ、敦...!)

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設定タグ:黒子のバスケ , ナッシュ・ゴールド・Jr   
作品ジャンル:恋愛
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かんざし(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。続編楽しみにしています。 (2022年8月30日 0時) (レス) id: 52ad1983de (このIDを非表示/違反報告)
ダーカー - 本当にありがとうございました✨この作品に出会えて幸せです!!続編楽しみ‼️‼️‼️ (2021年11月6日 0時) (レス) @page32 id: 80264e36de (このIDを非表示/違反報告)
あげは - やば…おんなじ鳳蝶なんだがw (2020年8月21日 9時) (レス) id: 55916dfabc (このIDを非表示/違反報告)
鱗五雨(プロフ) - 思わず時間を忘れて読み込んじゃいました!(笑)続編まってます!! (2019年9月21日 18時) (レス) id: af73f39adb (このIDを非表示/違反報告)
月影 - 感動するいい作品でした!主人公ちゃんに感情移入してしまい、号泣しました。昔の彼のようにとナッシュを思い闘う主人公を見て私もこんな風になりたいなと思いました!これからも頑張ってください! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 9446a19fb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Madras | 作成日時:2018年2月3日 16時

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