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第130Q ページ15

試合会場の一角。

自販機の前のベンチに、私は一人で座っていた。

俯いた視界に映る私のオレンジ色の長い髪と、握り締めた缶コーヒー。

「あっ、何よ。

こんなとこにいたの?」

不意に後ろから声が聞こえた。

「...リコ」

「祝勝会、もうみんな移動始めてるわよ。

場所は練習で使ってた体育館だから、Aも来てよね」

VORPAL SWORDSは、私の大切なチームメイト。

仲間たちの勝利を祝うために祝勝会にはもちろん行きたい。

でも...




「...ごめん。

今はちょっと一人になりたくて。

後から絶対行くから、リコは先に行ってて」

無理矢理作った笑顔でリコにそう告げる。

自分の気持ちがまだ整理できていなくて、素直にみんなと喜べるような精神状態じゃなかった。

「...そっか。

待ってるわね」

そう言ったリコはそのままその場から立ち去る。

私は残りのコーヒーを飲み干し、ベンチから立ち上がった。




ふらふらと会場の廊下を一人で歩く。

あてもなく彷徨う姿は、さながら幽霊のよう。

「.........」

Jabberwockの控え室。

ネームプレートは外されていなかったが、部屋の電気は消えていた。

アイツらも早々に出て行ったようだ。




鍵がかかっていない。

ほんの出来心だった。

私はそっと扉を開ける。




ギィィ...




案の定誰もいない。

扉を開けたことを少し後悔した。

もし、アイツがいたらどうするつもりだったんだ...

ずらりと壁に沿うように並んだロッカーと、真ん中に置かれたベンチ。

...と、ベンチの上にポツンと置かれたスクイズボトル。

選手の忘れ物だろうか...

(スタッフに届けとこうかな...)

部屋の中に入り、スクイズボトルを拾い上げようと手を伸ばした。









『なにしてんだ』

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設定タグ:黒子のバスケ , ナッシュ・ゴールド・Jr   
作品ジャンル:恋愛
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かんざし(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。続編楽しみにしています。 (2022年8月30日 0時) (レス) id: 52ad1983de (このIDを非表示/違反報告)
ダーカー - 本当にありがとうございました✨この作品に出会えて幸せです!!続編楽しみ‼️‼️‼️ (2021年11月6日 0時) (レス) @page32 id: 80264e36de (このIDを非表示/違反報告)
あげは - やば…おんなじ鳳蝶なんだがw (2020年8月21日 9時) (レス) id: 55916dfabc (このIDを非表示/違反報告)
鱗五雨(プロフ) - 思わず時間を忘れて読み込んじゃいました!(笑)続編まってます!! (2019年9月21日 18時) (レス) id: af73f39adb (このIDを非表示/違反報告)
月影 - 感動するいい作品でした!主人公ちゃんに感情移入してしまい、号泣しました。昔の彼のようにとナッシュを思い闘う主人公を見て私もこんな風になりたいなと思いました!これからも頑張ってください! (2019年1月20日 3時) (レス) id: 9446a19fb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Madras | 作成日時:2018年2月3日 16時

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