初恋波浪警報【笠松幸男】

Unrequited love..26 ページ26

「かわさ、」


「私帰る。ばいばい」



話しかけられる前に立ち去ろうとしたけど、雨が思ったより本降りで、出ようにも出られない。





「傘、はいれよ」


「……どうも」



相合傘とか、女の子苦手なんじゃないの？
なんで私にはそういうことするの…。


だから、変に期待とかしちゃうんじゃん。





.





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ザーザーと降る雨の中、無言で歩く私達。



何気なく笠松を見ると、笠松の肩は傘からはみ出していて、濡れていた。



たぶんそれは、私と笠松の間に距離があるから。




「笠松、もっとこっち来なよ」


「…大丈夫だ」




動こうとしない笠松。

私だけ濡れないとか、嬉しくないし。



私の方に引き寄せようと、ぎゅっと笠松の制服を掴む。






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「うわっ、」



急なことに驚いたのか、笠松は私の手を振り払った。




「あ、ごめん」


大丈夫だったかな、と顔を近づけると…





「やめろよ、そういうの」



笠松は顔をそむけて私から離れた。
笠松が離れたため、私に雨粒が落ちてくる。



回らない頭に最初にはいってきたのは……





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『笠松はお前のこと恋愛対象として見てないって言ってたぞ』





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さっきの森山の言葉だった。

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