第174話ですよー ページ24
*
ついに、
ついに来てしまった...
近藤「伊東鴨太郎君の帰陣を祝して、かんぱーい!!」
「「カンパーイ!」」
あ「かんぱーい...」
手元で揺れる酒には、引き攣った笑顔の私が映る。
言わずもがな、あの伊東鴨太郎が屯所に帰ってきたのだ。
刀の箱を前にソワソワしていた私に平隊士が宴の始まりを告にきたのはついさっき。
伊東さんへの苦手意識や物吉貞宗をもらった動揺からか、一口含んだ酒があんまり美味しくない。
...いやいや、苦手どうこうよりも刀の事をお尋ねせねば...いやでも今日は疲れてるだろうしやめた方がいいかな...?近藤さんとも話してるし...
ああ、違った、話してるんじゃないや、ご高説が始まってるんだ。the偉い人!っていうの?
んんー、田舎モンの私には、その良さはよくわからない。近藤さんと土方さんという、親と...姑?みたいな人達について行くのが普通というか慣れというか。
伊東さんが頭いいのは知ってるよ。それこそガンメイな幕府を相手に出来るくらいだもの。そして剣だって舐めたもんじゃない。メガネっ子のエリート面してるけど、あの太刀筋は努力によるものだ。
...小娘の勝手な想像だけど、伊東さんは、あのー...寂しいんじゃないかな、と思う。
なんでってば...どこからか、自分を知って欲しい、認めて欲しいっていう気持ちが伝わってくる。
悪いことじゃないよ、誰だってそう求めたいから。だけど、伊東さんは 他の人より飛び抜けてその欲求が強い。
それに伊東さん、田舎から出てきたこの真選組から、浮いている...ような感じがしちゃって...
教養がある、腕っ節もある、でも私達イモ侍はそんな小綺麗な集団じゃない。バカばっかで、荒削りな剣の野郎ばっか。
...私だって、これでも尋問やら何やらやってきたケーサツ。観察眼は一般人より長けているつもり。
でも...上から目線みたいになっちゃったな...ごめん。
...伊東さんね、嫌ってはいないんだ。...苦手なタイプだけど。ごめん。
...伊東さんの目に私達が仲間として映った時、私達が彼を本当に理解した時、この中途半端な関係は幕を下ろすだろうに。
まあまあ、なんたって、伊東さんが真選組の仲間であることに変わりはないから。
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練紅龍(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんにちは。幼馴染たちと新参者たち(敵)どいつもこいつも腐れ縁やら因縁やらでつながれてます。ちゃんとそこまで書けるよう頑張ります……! (6月7日 17時) (レス) @page17 id: 0cf84c7016 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは。んー、武州組は兄弟って感じだからオチは高杉さんかカムイなのかな?なんて、また次を楽しみに今日は終わります。 (6月7日 2時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 焦凍さん» ありがとうございます!励みになります...遅筆ですが頑張ります! (2021年10月11日 8時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
焦凍 - めちゃくちゃ面白かったです!続きも楽しみにしています!! (2021年8月21日 2時) (レス) id: 427116d3c5 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - みくるさん» やーありがとうございますー!コメントが燃料補給です...w今から書きますd (2019年2月7日 20時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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