人生万事塞翁が虎4 ページ33
｢はぁー食った食った！もう茶漬けは10年は見たくない！｣
｢お前……｣
満足気な表情で脹れた腹を叩く敦に、国木田が不機嫌丸出しの声を漏らす。
｢いやー、本当に助かりました。孤児院を追い出されてから、食べるものも寝るところもなく、あわや餓死するかと｣
『追い出された！？非道い……』
｢それは薄情な施設もあったものだね｣
｢おい太宰、A、俺達は恵まれぬ小僧に慈悲をたれる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ｣
｢皆さん方は何の仕事を？｣
敦の邪気のない問いに、太宰はやたら格好つけて答えた。
｢なァに、探偵さ｣
｢探偵といっても、猫探しや不貞調査ではない。異能集団、武装探偵社というのをを聞いたことはないか？｣
聞き覚えがあったらしく、敦は軽く目を見開く。
｢じゃあ、先刻の……高杉さんが空を飛んでいたのも異能なんですか？｣
『いや、私も銀時も晋助も異能力者じゃないよ』
｢え？じゃあ何で……｣
『私、陰陽師なんだ。銀時と晋助は私の式神』
｢お、陰陽師……｣
敦が聞き慣れない単語におどおどしている内に、太宰は良い鴨居があるとか首吊り健康法だとか言って国木田で遊んでいた。
｢それで、Aちゃん達は今日は何の仕事を？｣
｢虎探しだ。最近この辺りをうろついてるらしいんだが、てめェ、何か知らねェか？｣
高杉が敦に視線を送る。
敦はがたがたと震えていた。高杉がそれを指摘し問う前に、敦は椅子から飛び降りそそくさと立ち去ろうとする。
｢待ちやがれ｣
銀時が敦の襟首を掴んだ。
『おおー、敦君、さては何か知ってるね？国木田さーん！』
｢小僧、知ってること全て話せ、さもなくば銀時が腕を折るぞ｣
｢オイオイ、何勝手な事言ってんだコノヤロー。暴力はんたーい｣
｢そうだよ国木田君。君がやると情報収集が尋問になる……それで？｣
そして敦は全て話した。彼の居た孤児院はその虎に壊されたこと。そして敦の行く場所に虎が度々現れること。
｢ふぅん……敦君これから暇？｣
｢え｣
｢虎探しを手伝ってくれないかな？｣
｢嫌ですよ！それって、餌ってことじゃないですか！｣
即答だった。当たり前である。
しかし
｢報酬出るよ？｣
その一言で、敦の同行が決まった。
『面白そうだから私も行く』
｢Aが行くなら俺はついて行く｣
｢高杉ってAが行くところ何処でもついて行きたがるよな、ストーカーか。俺ァ面倒だからパスで｣
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風寧 - Юрияさん» ありがとうございます！これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2019年6月15日 20時) (
レス) id: 20b2ea3bbd (このIDを非表示/違反報告)
Юрия(プロフ) - どっちも大好きなアニメで読んでいて、とてもニヤニヤしてしました！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年6月15日 17時) (レス) id: f4565d370d (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - 筑最さん» ありがとうございます！多そうで意外と少ない(？)組み合わせだと思ったので合体させちゃいました笑 更新頑張ります！ (2019年6月11日 21時) (レス) id: 7e3874af1e (このIDを非表示/違反報告)
筑最(プロフ) - うわー好きなやつが合体しちゃったよー嬉し過ぎて泣きそうだよーこれからも頑張って下さい。 (2019年6月11日 0時) (レス) id: 27d7716bc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年5月26日 0時
