生存率25% ページ27
『分からない。』
「そうだよなあ!ごめんなあ!!」
声が少し震えている。
それを大きな声を出して誤魔化す。
これが斑の弱い部分の隠し方。
今だってそうだった。
『ごめん。』
「っ?何で謝るんだあ?Aさんは悪く無いぞお!!」
もう駄目だ。見てられない。斑はこんなに弱かったっけ??
私があの一件で変えてしまったのだろうか。だとしたら申し訳ない。
いや、只の自惚れか・・・。
『斑。』
「??どうしたんだあ?」
『ここにいるよ。私は。』
すると斑は目を見開き一筋の涙を静かに流した。
だが全く気づかず只々私の頭を撫で続けた。
ようやく自身が涙を流している事に気が付くと、情けないなあと呟く。
『斑は抱え込みすぎ。』
「そんなのAさんだって_____」
「三毛縞さんっ!!」
遠くで誰かが斑の名前を呼ぶ。
「千秋さんに呼ばれたから行くなあ!しっかり休むんだぞお!!」
『うん、いってらっしゃい。』
足早に去っていく。
その背中はいつもと同じ頼れる背中をしていた。
ママに任せなさい、か。少しは頼ってみても良いのか、な。
そういえば千秋って、あ、交換したユニットか。
守沢千秋。確か流星隊のリーダー?だった気がする。
うろ覚えだが何となく把握はしている。だって、奇人が居るし。
「押忍!先輩!隣良いですか?」
ふと顔を見上げる私と同じくらいの身長の少年が立っていた。
先輩って言うのだから一年生か。
どことなく鬼龍に似てる気がしなくもない顔立ち・・・、あ。
さっき話した守沢千秋と鬼龍紅郎を足して二で割った様な顔立ちだな。
自分でも説明下手くそかって思ったけど。
『・・・。』
私は無言で壁を背中にし、自分の隣の床をポンポンと軽く叩く。
「ありがとうございますッス!」
日本語大丈夫かこの子。
『何しに来た。』
こんな言い方だから好かないだろう、とチラッと1年生の方を見れば気にも止めていない様だった。
何故?まぁそもそも向こうから話し掛けてくる事自体珍しいから話しかけた時点で覚悟はしているんだろう。
「一つは、先輩が流星隊の担当プロデューサーになったから挨拶に来たッス!もう一つは、、」
一瞬言葉を詰まらせた。
だが、またすぐ口を開いた。
「大将が、肝の据わった嬢ちゃんだったって言ってたッス!だから会いたかったッス!!」
会いたいなんて言うもの好きも居たもんだな。
ところで・・・・。
『大将って誰?』
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吹雪(プロフ) - ナタデココナッツさん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2020年1月23日 17時) (レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
ナタデココナッツ - すごく良かったです!続き楽しみにしてます!頑張ってください。 (2020年1月22日 21時) (レス) id: a628d8ca2b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 眠い皐月さん» ありがとうございます、めっちゃ嬉しいです!!今後も更新を頑張っていきますので気長に待っていただけると嬉しいです!! (2020年1月3日 17時) (レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 明蛍さん» 年明けに失礼します。コメントに全く気付いてませんでしたすみません。嬉しいです!少しずつ更新していきますので宜しくお願いします。 (2020年1月3日 17時) (レス) id: 52552b983e (このIDを非表示/違反報告)
眠い皐月 - いいです!良きです!!潰しに行くという発想、それに沿って、五奇人との関係性も読んでいて面白いです!!夢主が、ズバズバ言うのもなんだか納得のいくものばかりで、共感しました!!更新楽しみです(*'▽'*) (2019年9月1日 17時) (レス) id: 706c19b5cd (このIDを非表示/違反報告)
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