陸〜食事まえの反抗〜 ページ7
敦「あ、此処だよ」
その声で足を止めれば、確かにそこに子供たちが集まっていた。
…皆黙りこくっていて何とも薄気味悪い。
敦「…Aちゃん、あのさ、」
何?と云おうとしたとき、前から耳がいたくなる程の怒声が聞こえてきて、
前を見てみれば、異様に髭の生えたじじいがいた。
『おい穀潰し!!何でお前が此処にいる!!お前なんかに食わせる飯なんざねぇぞ!?おい餓鬼!!』
なんて言いぐさだ。
しかも私にまでつっかかってくるなんて。
「…私?」
『そうだよ!!何こいつ連れてきてんだよ!!お前ら二人罰喰らわせてやる。来い!』
罰、とは、殴る行為だろうか。
敦は私の服をぎゅっ、とつかんで泣き出す。
…ていうか私餓鬼じゃないし。
今見た目そうかもしれないけど、
中身は高校生だし。
…というか何もしてないのに怒鳴られるとか、…
私達の襟を掴もうとした大人の手をパシン!と音を鳴らせて弾いた。
男は当たり前のように目を見開いた。
「…餓鬼なんて云わないでよ、じじい。大体、私達何もしてないですけど。頭どうかしてんの?」
『んな…!!』
敦「ちょ、Aちゃ…!?」
部屋にいる子供も、周りにいた大人も、敦も、皆がゾッとしていた。
部屋の気温が下がった気がする。
「しかも、敦の足トンカチで殴るとか…大人としてないんじゃないの?器ちっさいねー。そんなことして何になる?私には全くわからない。というかそんな怒りやすいと血管切れて死ぬよ?」
まだまだ侮辱できる。
しかし、男は怒り狂ったように私を殴り言葉を遮った。
私はその衝撃に堪えられず、後ろに倒れる。
敦も、一緒に倒れてしまい、足を痛めたのか、うっ…とうなり声をあげた。
私は殴られた左頬を抑え、男を睨む。
『ッツざけんじゃねぇぞ!!んだこの餓鬼!!』
男は続けて蹴りを入れた。
敦はそれを見て泣いていた。
他の子供たち、大人は、そんなことに慣れているのか、ただただ此方を見つめている。
…あぁ、本当に、この孤児院は何なのだろう。
私は蹴られ殴られ、いよいよ視界がくらくらとしてくる。
でも此処で倒れたら相手の思うままだ。
唇から血が出るまで強く噛み堪える。
?「…何の騒ぎだ」
横から聞こえてくる違う男の声。
男、私はそちらに目を向けた。
『園長…』
園「これは、何の騒ぎだと聞いている。」
園長と呼ばれた男は、冷たくそう云い放った。
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あうなの(プロフ) - ハイナさん» ありがとうございます!嬉しいですー!ヽ(´▽`)/ (2017年11月20日 6時) (レス) id: b3c9ec2f8d (このIDを非表示/違反報告)
ハイナ(プロフ) - 凄く感動しました!面白かったです! (2017年11月19日 18時) (レス) id: bbacd9501b (このIDを非表示/違反報告)
あうなの(プロフ) - 琴葉さん» 更新遅れてすみません!また更新再開します!楽しみにしてください! (2017年5月30日 20時) (レス) id: b3c9ec2f8d (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 続きが気になります!更新、頑張ってください(*^^*) (2017年5月30日 19時) (レス) id: 5a56e3c42b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あうなの | 作成日時:2017年2月6日 2時