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学校を出て2人で駅への慣れた道を歩く。
中途半端な時間だけに学校の子は全然いない。
あたしたちの通う中学校は
神楽駅と倉田駅の真ん中らへん線路北側で
ざっくり言うとその2駅の間が校区になってる。
翔くんもあたしも神楽側でしかも同じ北口だから
わざわざ送ってもらってるっていうよりは
一緒にならんで帰ってるって感じなんだけど。
それを気にしてるのは他でもない翔くんで。
「なんか悪いね？
いっつも寄り道片手間みたいでさ。」
「そんなことないよ。笑
こちらこそいつもごめんね？
翔くんすごい忙しいのに…」
「いやいやいや。
ごめんは俺の台詞だよ。
ホントとはデートとかしたいんだけどさ。」
受験生のあたしたちは
ただでさえ毎日が結構忙しい。
だけど翔くんは別格だ。
あたしたちはそれなりに勉強しながら
自分のレベルに合った公立高校を受験する。
もちろん滑り止めの私立校も受けるけど
基本的には受かりそうな公立に入れたら…
っていうスタンスで受験校を選ぶことが多い。
でもたぶん翔くんが目指してるとこは
そーゆーレベルじゃないんだと思う。
ちゃんと聞いたことはないけど
賢い私立高校を受験するんだろうなって
毎日の翔くんを見てたら分かるから。
「や、気持ちとしてはね？
送ってるつもりなんだよ。一応ね。
それがたまたま同じルートなだけで！
…っていうこのセリフもまぁね
既に聞き飽きてるとは思うけど。ははっ」
なんてことも言いながら
実は遠回りしてくれてるんだって知ってる。
ウチのマンションは駅に近いところにあるけど
翔くん家は坂道を登りきった所の高級住宅地。
たぶん学校からウチを経由して上がってくより
学校からジグザグと合間を縫うみたいに
斜めに上がってく方が断然早いはずだ。
「そんなことないよ。
だってこの道だと遠回りでしょ？」
「いやいや、全然だよ。
だって斜めに直線で突っ切れるならまだしも
結局何度も道を曲がって迂回するわけで
一本の線にしたら結果変わらないし。」
「ホント？でもやっぱ遠回りだよ。多分。
忙しいのにわざわざありがとう。」
「いや、わざわざって距離じゃないからね。
むしろもう送迎じゃなくてただの帰り道だし。
っていう台詞もホント毎度だな。ははっ」
何度も繰り返されるこの会話が
真面目で律儀な翔くんらしくて
何よりあたしたち2人らしくて
なんだかいつも妙にホッとするんだ。
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でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉(о´∀`о)単純な作者なので、きっと今日明日にはまた何話かUP出来ると思います（笑）最後まで是非お付き合いください(^^) (2019年11月8日 10時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 実はこういったお話が凄く好きで不器用だけど真っ直ぐな皆とか何か確執みたいなものを抱えているとか…でこぼこさんの作品をもっと読みたいと思いました！ (2019年11月6日 10時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます(*^^*)あやふやな関係やふわふわした感情に翻弄され気味の主人公が、嫌われたら可哀想だなと思っていたので、愛おしいと言って貰えたことがとっても嬉しい！櫻宮さんの言葉を励みに、また書き進めていきますね(´∀｀*) (2019年11月5日 16時) (レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 皆不器用だけど真っ直ぐで…そんなあやふやな位置関係にいる主人公が健気で愛おしくて好きです。早く次が読みたい！ (2019年11月5日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2018年11月29日 14時
