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17階建てっていう中途半端なうちのマンション。
どーんとそれなりに広めの敷地内に
幅広な17階建ての棟が並んで2つあって。
広場があったり来客用スペースがあったりと
いわゆるファミリータイプの代表って感じ。
新興住宅地ってやつだから
マンションが建った時に一斉に入居してて。
住人同士も顔馴染みが多いし
小さいときの習い事はかなりの確率で
マンション内のお教室に通ってたりして
そーゆーよくある環境で育ってきた。
いつも翔くんはその敷地内までついてきてくれて
エントランスのオートロックを開けたところで
じゃあまた明日ってさらりとお別れをする。
だから今日もいつも通り
そのコースを辿るんだろうなと思ったら
敷地に入る手前のところで突然足を止めた。
「あのさ。まだ塾まで時間あるんだけど
ちょっとだけ付き合ってくれる？」
クイッと親指ですぐ近くにある自販機を指差す。
空き時間は逃さず勉強してる翔くんが…？
なんだろ。珍しいな。
なんかあったのかな？
なんて思うけどとりあえず頷くと
翔くんがすたすたと先へ歩いていって
自販機の前で足を止めてお金を入れた。
「A、何飲む？」
「えっ！自分で買うから大丈夫だよ。」
「なんでよ。いーじゃん。
たまには彼氏らしいことさせてよ？
とかたかだか100円で偉そうに言うと
それはそれで余計に恥ずかしいけども。笑」
えっと…どうしよう。
ありがとうって言うべきかな？
「早く選ばないと俺勝手に押しちゃうよ？
コーンポタージュとか。ははっ」
自販機に向き直った翔くんの背中越しに
あ、コンポタねぇやって小さな呟きが聞こえて
その響きがやたらと切なく頭に響いた。
スポドリとあたしのオレンジを買った翔くんが
あっち座ろうかって中にある公園を顎で差して
あたしの返事を待たずに敷地内へ歩き出す。
夏休みに入る少し前から
翔くんとあたしは手をつなぐようになった。
初めて繋いだ時は体全部が心臓になったみたいで
いつか慣れるのかなって思ってたけど
今日も相変わらずの通常運転でドキドキだ。
右手を引かれたまま敷地内に入ると
道を歩いてるときは気にもしなかったのに
急になんとなく罪悪感が出るというか
誰かに咎められるような気がしてしまう。
マンションスペースの中だからなのかな。
そっと手を放したくなるけど
傷つけてしまう気がしていつも言えない。
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でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉(о´∀`о)単純な作者なので、きっと今日明日にはまた何話かUP出来ると思います（笑）最後まで是非お付き合いください(^^) (2019年11月8日 10時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 実はこういったお話が凄く好きで不器用だけど真っ直ぐな皆とか何か確執みたいなものを抱えているとか…でこぼこさんの作品をもっと読みたいと思いました！ (2019年11月6日 10時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます(*^^*)あやふやな関係やふわふわした感情に翻弄され気味の主人公が、嫌われたら可哀想だなと思っていたので、愛おしいと言って貰えたことがとっても嬉しい！櫻宮さんの言葉を励みに、また書き進めていきますね(´∀｀*) (2019年11月5日 16時) (レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 皆不器用だけど真っ直ぐで…そんなあやふやな位置関係にいる主人公が健気で愛おしくて好きです。早く次が読みたい！ (2019年11月5日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2018年11月29日 14時
