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中学生にもなると公園なんてすっかり縁がなくて
木陰にあるベンチに久々座ったら
途端に自分が幼くなった気がして心細い。
「どしたの？何かあった？」
座ったものの何も言わない翔くん。
何か喋んなきゃって妙に焦るあたし。
「…ん。なんかないとダメ…？」
「え？？」
膝に当てた両肘で体重を支えながら
無言で遠くを見てた翔くんが
あたしに向き直るようにして座りなおした。
何となく開けてた0.5人分ぐらいの空間が埋まる。
「好きな子と一緒にいたいってだけなんだけど。
そーいうの、…嫌だった？」
なんか、どうしよう。
「…ううん。…嫌じゃ…ない、よ？」
少しずつ近づいてくるその目が真剣で
いつもの翔くんじゃない気がする。
何だろう。やっぱり何かあったのかな。
「しっしょ、翔くんっ！塾何時っから？」
体ごと正面にとらえて確実に縮まる距離。
ただただ無言で合わせる視線に耐えられず
なんとか口を開いたら思いっきり噛んだ。
ん、まだ。って呟きながらますます近づく体。
俯いて逃げてしまいたいのに
今の翔くんの雰囲気がそれを許さない。
いつもクリクリと可愛らしいはずの大きな目が
すっと細められていて肌が一斉に粟立った。
どうしよう。どうしよう。
何か言わなきゃ…
って混乱する頭を一生懸命働かせてたら
ふいにスカートの上に温度を感じて視線を下げる。
そこに翔くんの左手があるのを見たら
ますますどうしたらいいのか分かんなくて。
どうしよう。
泣きそうだ。
「あっ、…あの！翔くっ…！」
膝に置かれた手を退けようと
なんとか持ち上げたあたしの左手首を
今度は翔くんの右手がぎゅっと捕えてきて。
言葉が止まる。
空気が止まる。
呼吸も止まる。
ど…した…の？って自分の声が震えた。
翔くんはいつだって優しいのに。
ドキドキなのかズキズキなのか
何なのか分からない苦しい音が頭に響いた。
＊
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でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉(о´∀`о)単純な作者なので、きっと今日明日にはまた何話かUP出来ると思います（笑）最後まで是非お付き合いください(^^) (2019年11月8日 10時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 実はこういったお話が凄く好きで不器用だけど真っ直ぐな皆とか何か確執みたいなものを抱えているとか…でこぼこさんの作品をもっと読みたいと思いました！ (2019年11月6日 10時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます(*^^*)あやふやな関係やふわふわした感情に翻弄され気味の主人公が、嫌われたら可哀想だなと思っていたので、愛おしいと言って貰えたことがとっても嬉しい！櫻宮さんの言葉を励みに、また書き進めていきますね(´∀｀*) (2019年11月5日 16時) (レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 皆不器用だけど真っ直ぐで…そんなあやふやな位置関係にいる主人公が健気で愛おしくて好きです。早く次が読みたい！ (2019年11月5日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2018年11月29日 14時
