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あー…
気持ち、悪い。
ここはどこだ。
今、何時だ。
試合は、どうなった?
ぼんやりと目を開けると、
見慣れない天井と、全身に漂う倦怠感。
体を動かそうとしても重くて動かせない。
左手に違和感を感じて、目線だけでそちらを向くと、
黒尾「スー……」
鉄ちゃんが、私の左手を握って。
ベッドに突っ伏して眠っている。
それでようやく、自分は倒れたのだと察した。
おそらくこの倦怠感は全身麻酔のもので、
この機械の量も、胸に感じる痛みも、
知らぬ間に手術されたんだろう。
あぁ、でもどうして。
なんで、こんな時に。
左手に少しだけ力を込めると、
鉄ちゃんがピク、と体を揺すって起きた。
私を見て驚いた顔をして、
______…泣きそうな、顔をして。
そっと私の頭を撫でた。
黒尾「A…」
その声を聞いて、どうしようもなく切なくなって。
天井を見つめる私の目に涙が溢れて、こぼれ落ちた。
鉄ちゃんは少し笑って、その涙を指で拭った。
謝らなければいけないような気がした。
私を一心に思ってくれているこの人を、
私のことを、何年も何年も思い続けてくれたこの人を。
"幼馴染み"という関係のために、私は壊すことを恐れたのだ。
"幼馴染み"という関係のために、私は彼を傷つけたのだ。
A「……め……い……」
黒尾「ん?」
A「ごめ……さい……」
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カカシ(プロフ) - marindさん» marindさん、コメントありがとうございます(*´˘`*)黒尾編もう少し続きますので、是非お付き合いください(*´˘`*) (2020年1月2日 0時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
marind - 黒尾さんやばい!めっちゃカッコいいいいい!!! (2020年1月1日 18時) (レス) id: e8598985e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カカシ | 作成日時:2019年12月11日 13時