魅せられ、探す【あんスタ】 (ページ10)

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９話ページ10

凛月「で、ぬいぐるみは？」

A「そこのくまのやつです。」

凛月「ふーんこれねぇ〜。」

凛月くんがぬいぐるみに触れると、ふわりと甘い香りがした。その香りに、睡魔が襲ってくる。そういえば私、寝るところだったんだ。
一方凛月くんは、そのぬいぐるみを全体的に見渡したり、触ったりしていた。

凛月「このぬいぐるみ貰っていい？」

A「大丈夫ですよ。私のじゃないので。」

凛月「ん。」

凛月くんは、そのまま部屋を出ていってしまった。………ぬいぐるみ、何かあったのだろうか。とりあえず寝よう。考え事は、明日だ。

　

『わがはい、さみしい。』

淡々と書かれた手紙。誰が書いたかなんて、１発でわかる。

凛月「………嘘つき。」

凛月は自室で１人、手紙を見ていた。机の上には、引き裂かれたくまのぬいぐるみと、盗聴器があった。

凛月「寂しいなんて、嘘。俺がいなくても、『仲間』がいるじゃん。俺なんか、いなくたって………。」

凛月はその手紙を破り捨て、ゴミ箱に投げるように捨てた。

凛月「俺のこと、置いてったくせに………。」

凛月の声は、部屋の中に消えた。

　