実践 1 ページ9
「まず始めに、お前は雑魚中の雑魚だ」
「……はい、分かっております」
俺は今、悪魔を召喚するのに使った魔方陣の真ん中に正座させられていた。
何でこうなってるかというと、正直俺にもよく分からない。
「そんなお前と、この俺が契約してやったんだ。感謝しろよ」
「ありがとうございます」
「契約したからにはお前が強くなれるようにサポートしてやる。だが基本的には自分の力で強くなって100位以内を目指せ。俺は最低限しか手伝わんからな」
モノクロはゆっくりと俺の周りを歩きながら喋っている。あれだ、いつか何かのアニメで見た人間の学校の先生みたいだ。
いや、先生は生徒を魔方陣の真ん中に正座させて、授業をしたりはしないか。それにここは学校じゃない。
「それでだ、お前みたいな雑魚が強くなるにはどうすればいいと思う? 答えてみろ」
そう言ってモノクロはビシッとコードの先端で俺のことを指した。
「他の悪魔を倒す……、とか?」
他の悪魔を倒してその力を得ることができれば強くなれるし、ライバルも減るしで一石二鳥だと思った。
が、俺の答えを聞いてモノクロは呆れたような顔をした。
「馬鹿が。いいか、今のお前じゃ他の悪魔と戦っても勝てない。一瞬で血祭りに上げられてその辺にポイされるだろうよ。お前は雑魚過ぎてプラスにならないからな」
「え、じゃあ、どうすれば……」
「どうすればいいか? 人間だ。まずは人間の魂を食って強くなるんだ」
「その、他の悪魔をあんたがボコボコにしてそれを俺が取り込むとかじゃ駄目なのか? そっちの方が早いし、楽じゃないかな?」
「……本当にそれでいいのか?」
それまでゆっくりと俺の周りを歩いていたのにピタッと立ち止まり、少し間をおいてからモノクロが言う。
「え?」
「お前は悪魔を取り込んだ人間の話を聞いたことがあるか?」
「いや、ないけど……」
「そうだな、そんな人間いないからな。人間程度じゃ取り込もうとしても逆に悪魔に取り込まれるのがオチだ。言いたいこと分かるか?」
「つまり、人間より弱い俺も逆に取り込まれちゃうってこと?」
「その通り、ちゃんと頭使えて偉いぞ、頭も最弱の雑魚じゃなくてよかったな。人間より強い力を持っていないと、悪魔の力に耐えられないんだ。逆に人間より強い力があれば悪魔や天使なんかの人外の力を得ることが出来る。分かったか?」
「分かったけど、人間より弱かったら人間に取り込まれちゃうってことはないのか?」
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時