一緒に帰るんだよ ページ8
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…。
「銀さん」
「んー?」
「本当にいっつも
甘い物ばかり食べますね」
「お前も似たようなモンだろーが」
「銀さん程じゃありません」
「どーだか」
「だって仕方ないですよ。
銀さんと食べると一倍美味しいんです」
「出たよ殺し文句」
「だから殺そうとなんて…!」
「ハイハイ、無自覚な」
「銀さん意地悪です」
「…お前それ他でやんなよ」
「銀さんの言う事なんて聞きません」
「おまっ…反抗期かよオイ」
「銀さん」
「んだよ」
「銀さんは…どうですか?
私と一緒に居て…楽しいですか?」
「…楽しいよ」
「Aといる時が、
一番楽しいよ」
「A」
これは夢なのか、それとも現なのか。ゆっくりと開けた眼に映るのは夢だとしか思えない光景だ、どうして…どうして。
「お前さ、嘘吐くの下手過ぎ」
「銀さん…」
へたり込む私の前に銀さんが高杉さんの刀を受けて立っている、広い背中…これっきりになってしまうと思ったあの夕方と同じ背中だ。拮抗する力が反発し合って互いの腕は震えている。
「何が明日から生活チェックするだよ、言葉に責任持てねーなら言うなっての。どんだけ今日待ち惚け食らわされたと思ってんのマジで」
「だ、だ…って」
「お前ホント帰ったら覚えてろよ」
銀さんは怒っていた、当然だ。嘘を吐いてしまったのだから怒らない訳がない。でも、それより何より…私は『帰ったら』と言ってくれた銀さんが頼もしくて、嬉しくて。
「帰れる…ん、です……か?」
涙が止めどなく頬を伝う、ぼろぼろと床を湿らせてゆく。私は本当に情けない、また銀さんに迷惑をかけてしまった。また呆れられてしまう。
銀さんはそんな私を見て、からかうでもなく、怒るでもなく。フッと優しく笑って、
「帰れるに決まってんだろ。俺と一緒に…帰るんだよ」
「…っ……」
その微笑みに後押しされるように私は立ち上がる。胸がいっぱいで…どんどん涙はこぼれ落ちるのだけど。今は…そうじゃない。
ホルダーから銃を抜く。
私は迷わず高杉さんに向けて銃を構えた。
「私は…!」
どうしてこの人が一緒だと怖くないのだろうか、答えはとっくの昔に出ていた。
「まだ…!死にたくない……!!」
濡れた双眸に焼き付ける。
悲しき性を背負う二人の侍を。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - ダイスケさん» ありがとうございます!全力をかけて完結を目指したいと思いますね!! (2017年2月11日 19時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
ダイスケ(プロフ) - 月ヶ瀬ましろさん» これからも頑張ってください!!( ´ ▽ ` )ノ (2017年2月11日 18時) (レス) id: e508cab75b (このIDを非表示/違反報告)
月ヶ瀬ましろ(プロフ) - ダイスケさん» コメントありがとうございます!わわ…お気に入りまで!お褒めに預かり光栄な限りです(´∀`*) (2017年2月11日 18時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
ダイスケ(プロフ) - すごく面白いです!お気に入り登録しました! (2017年2月11日 15時) (レス) id: e508cab75b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作者ホームページ:http://twitter.com/hearty__smile
作成日時:2017年2月8日 21時