２３話 ページ24
「あんたから来てくれると思ってなかった」
「結局こっち来るんだろ」
昼休み、当たり前のように2-Aに行こうと思っていたら、柊に会った。
こちらに来てくれていたらしい。
クラスの人にいろいろ言われてたからだとは思うけど。
「…またあの場所なの？」
前をつかつかと歩く柊に声をかける。
この前と同じ、あのジメジメしたところに向かってるみたいだった。
「悪い？」
「別に」
振り返ることもせずに、答える。
柊らしいとは思うけど。
「……」
「……！」
彼女は急に足を止めた。
俺はまたいつかの日みたいにぶつかりそうになって、一歩後ろに下がる。
「…なにやってんの？」
「…猫」
そう言われ、彼女の視線の先を追う。
確かに、黒猫が芝生で寝ている。
「…行かないの？」
「ん」
行くのか。
寝てるとこ邪魔したくないから他のところ行こう、とか優しいこと言ってくるのかと思った。
まあそんなことはありえないか。
「…」
「え…」
そんなこと考えていると、彼女は普通に黒猫の隣に座り込んだ。
黒猫は何も反応を示さない。
仲が良いのだろうか？
不思議に思いながらも、俺はベンチに座った。
「…で、どうすればいいの？」
「あー…」
彼女は黙った。
何かを躊躇っているようにも聞こえた。
柊は1度、深呼吸、というより少し浅いくらいの呼吸をする。
「……本当に、いいの？」
「…なにそれ」
まったく予想していなかった言葉が出てきて、思わず聞き返す。
本当に、いいの？……本当に、貸しを返すつもりなのか、ということか？
それは、もちろんやる。
ここで引き下がるのもかっこ悪い。
「…やるよ」
「……そっか」
俺は、ずっと彼女を見つめていた。
しかし、彼女は俺の方を見ようとはしない。
わざとらしく目を逸らされているような気もする。
彼女は、黒猫を撫でていた。
猫は気持ちよさそうに喉をゴロゴロと鳴らす。
「じゃあ、」
「…」
体に力が入る。
やる気満々なんだ。
「…私と、関わらないで」
彼女は目を合わせなかった。
俺も、目を逸らしたかった。
けど、それはしなかった。
逸らしたら…もう、そこに“柊玲”が存在しない気がして。
俺は、言葉を考えた。
限界まで、考えて考えて、
出てきた言葉は、
「…どうして？」
たった、これだけだった。
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ハム公(プロフ) - もりちあのめがねさん» ｱｱｱありがとうございまｧｧｧｧｯｽ!!!!今のとこあんま喰種要素出せてなくてすみません…笑 更新遅くなると思いますが、最後までみとどけていただければ嬉しいです…！ (2017年11月7日 18時) (
レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
もりちあのめがね - 最初、あんスタと東京種喰って最高やんけと思って読んだら最高でした。神です!!!セナも大好きだし!!!更新楽しみにしていまｱｱｱｱｱｯｽ!!!!!!!! (2017年11月6日 16時) (レス) id: e231ea7ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年9月17日 17時
