【カゲプロ】もう、笑えるよ…【カノ】

83話＊壮大なるサブ役 ページ37

「わ、可愛いじゃん！モモったら」


午前中１０時２５分。

１１時から始まるライブには、昨日決まったのにも関わらず、30分もしないうちにチケットが売り切れるという

なにか驚異的なものをみせてもらったので、

もちろん客席には客はぎっしりだった。


これぞアイドルの力なのか…。



モ「へへ、そう？」


ピンクにフリルという、いかにもアイドルらしく、美少女にぴったりな服をきているモモは、まさにプロだ。

彼女は照れくさそうに笑ったかと思うと、今度は私をじろじろと見つめてきた。


モ「……Aもなんか違う服着ればいいのに……」


「はは、私はいいんだよ」


Yシャツに黒いベスト、黒いショートパンツ。

赤い星のシールを頬につけ、同じく赤い星の髪飾りでポニーテールに縛っている髪をいじりながら、笑った。


少し飾り気のない衣装だが、私のいつものステージ衣装だ。


「それに、主役は君でしょ」


そう。

何故か私にきた仕事なのに、共演することになってから

モモのライブになってしまった。何故か。


これはちょっとショック。もとはマジックショーだったのに、

アイドルの後ろでマジックでライブを壮大に輝かせるサブ役なんて……っ！



モ「そう言わずにさ？ほら、この衣装きてよ！それにさ……今日は髪型二つにして……」


「え、ちょ……っ」


モモが勝手に髪の毛をほどく。


ちょ、やめなさいよ。こら！


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