眠り姫 ページ31
しかし、奥様はあまりお気に召さなかったようです。
ひとらんらん様の腕を無理矢理解くと、男児に近づき、必死に起こそうとするのです。
…奥様ったら、やんちゃしたい年頃だったのでしょうか。
『…お願いっ、起きて、もう、私の前から、いなくならないで…お願いだから…！』
「もう死んでると思うけど」
『まだ、まだ微かに息があるの…！ねえ、お願い、人の命は何処までも平等よ、だから、彼を助けて…！』
ああ、ああ、ああ！
なんてお優しいのです奥様！！
私、あまりにも奥様が素敵すぎて目眩さえもしてきました！！
…取り乱してしまいました、いやぁ、奥様とご主人達の馴れ初めは、私の興奮材料なので、ご了承下さい。
それでですね、奥様は男児を助けようと、お二人に助けを求めたのです。
頼り、助け合うのが夫婦ですものね。
「じゃあ、A、答えてや」
『へ…』
「Aは、どれだけ逃げてきたん？」
『な、にを…』
「どれだけの人間を踏み台にしてきたん？」
『やめ、て…やめて、オスマン…！』
「何人を、その手にかけたん？」
『もうやめて！』
奥様は、その場に泣き崩れました。
今はまだお話できませんが、奥様の過去は凄惨なものです、誰も想像できないほどに。
それを、お二人は知ってらっしゃったのです。
だからこそ、この救済を、奥様に与えようとしてらしたのです！
「わかっとるよ、辛かったやろ」
『っ…』
「A、こっち見て、大丈夫だから」
『ひ、とら…』
「そう、ずっと、俺らのことだけ見てて、俺らのことだけ考えてて、そしたら何も辛くない」
「過去に囚われるのは苦しいよなぁ、懺悔しても、誰も許してくれない、許してくれても、結局許し切れないのは自分自身なんやから」
「だからね、何も見なくていい、何も聞かなくていい、Aはもう十分頑張ったんだから」
「ゆっくりおやすみ、キスで幸せな気持ちで目を覚まして、何も考えず、ただただ愛されて、それでええやん、な？」
『…ぃ、や…そんなの、いや、…っ…』
身体から徐々に力は抜けていき、お二人に委ねるしかなくなった奥様は、眠ってしまう寸前まで、男児に手を伸ばしました。
どうか、目を覚まして、これ以上罪を重ねたくない。
奥様はそう思いながら、目を閉じ、眠りにつきました。
「お姫様はお城で幸せになるのが鉄則なんだよ」
意識が途切れる寸前、聞こえてきたその言葉で、全てを悟ったと言います。
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馬鹿の者 - 奥様＝廃被り(シンデレラ)兎＝奥様の兄さんと、すると段々、小説の題名の意味が… (2020年7月31日 6時) (
レス) id: 37e79557bb (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿の者 - おっふ、考察全部違ったけど、面白いから満足です。あ、皆様廃被り姫を知っていますか？廃被り姫とはシンデレラの事なんですよ、んでこの小説の題名にガラスの靴があるじゃないですか、シンデレラにもあるじゃないですか、もしかしてそれで表現してる？ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 37e79557bb (このIDを非表示/違反報告)
ハット(プロフ) - どんどん謎が解けていく、、、！めちゃくちゃ面白いくて、更新が楽しみです(*^^*) (2020年7月28日 18時) (レス) id: c9cf6e7c0b (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - 馬鹿の者さん» 三度めまして！ここから徐々に真実を出していこうと思いますので、楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2020年7月24日 13時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿の者 - メイドの子も怪しくなってきたね、そもそもcnsypでみた幻覚って子供の頃の記憶なのかな？それなら、いやでもう〜ん分からん( ・∇・)(長文連投失礼しました) (2020年7月23日 2時) (レス) id: ee9fba9597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 | 作成日時：2020年6月30日 3時
