39話：空腹ボーイズ！ ページ41
その後、挨拶とドリンクの濃さの調査を終えた私は、雪村さんの睨みが恐ろし過ぎて、部屋を抜け出した。
貴方「木戸川清修とは大違い…。怖すぎるよ……。」
早く新雲学園の部屋まで行こう…。彼らは比較的温和そうだったし。
新雲学園の部屋へ向かおうと、方向転換した時、
私の苦手な彼の声が聞こえた。
雪村「おい。」
貴方「ひいっ…！」
雪村「アンタ…、どういうつもりなんだよ。」
貴方「は、はい…？どういうつもり…とは？」
雪村「夕飯の時来なかっただろ。何してたか知らねぇけど、マネージャーのくせに選手放置してどこ行ってたんだよ。」
貴方「う…、それは…。」
温泉に行ってました、なんて口が裂けても言えない…。けど、言い訳が通用する様な相手でもない。どうしよう、これが絶体絶命というやつか…。
？「あれ？雪村くんに、Aまで！こんな所で何してるんです？あ、また雪村くんに苛められてるんですか？」
雪村「雨宮…アンタ。誤解すんなよ、コイツがマネージャーの仕事しないから…。」
雨宮「まあまあ、彼女なりに頑張ってますよ。ね？A。それに、雪村くんが言いたいのはそんな事じゃないですよね？」
雪村「っ…。」
貴方「え…？えっと…？」
雨宮「A、夕飯食べ損ねたでしょ？雪村くんは、それを心配してるんだよ。」
貴方「え？」
雪村「デタラメ言うな。そんなわけないだろ！」
雨宮「じゃあ何で赤くなってるんです？僕らと温泉に一緒に行った時も、Aの事特に心配してたのに。貴志部さんにも、Aのこと聞いてたじゃないですか。」
雪村「うるさいな。…体調崩して、仕事出来なかったら困るのはこっちだからな。くれぐれも迷惑かけるなよ！雨宮も余計なこと言うな！」
貴方「あ…！雪村さん…！ありがとうございます…！」
私の言葉を無視した雪村さんは、怒ったまま部屋へ入ってしまった。
雨宮くんはクスクスと笑って「素直じゃないね、彼。」と言う。
雨宮「それより僕、小腹空いちゃった。卵の入ったうどん！新雲のみんなも呼んでくるから作ってほいなぁ！」
貴方「あ、うん。じゃあ、先に食堂で準備しておくね。」
ヘアゴムを探しに行きたかったのに、もう暫く動けそうにないなぁ…。新雲学園のみんなとも、仲良くなっておきたい…。ああ、なんか間が悪いな。
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月18日 23時
