語弊 ページ13
それからしばらくした時、ようやっと落ち着いた三郎次は気まずそうに口を開いた。
「………あの」
「？」
「す、すみませんでした。色々」
「……私も組み敷いてごめん」
「その言い方語弊があるのでやめてください」
三郎次の言う語弊が何なのかわからないAは首を傾ける。
ちなみに彼女があっちの知識が皆無に等しいのには歴とした訳があるが、それはまた今度にしよう。
「……風呂に入りたい」
「唐突過ぎません？」
Aがこの学園に来てからまだ1日も経っていないが、その実彼女はまだ風呂に入っていない。
夜に入ると誰かに出会す可能性を考えたからだ。
学園の風呂は男女で分かれているので、あくまでも風呂へ行く途中でという意味だが。
そして今はなんやかんやあって早朝である。
まだ夜が明けきっていないので、早起きの人もまだギリギリ寝ている頃だ。
「…案内ついでに僕も入ります。久しぶりに肩の力が抜けた気がする」
「……一緒に入る？」
「お断りします。………また今度にでも」
「ブフォッ」
「「？」」
今確実に天井裏から人が吹き出すような音が聞こえたが、きっとネズミか何かだろうと三郎次は思った。
Aに至っては「豆乳でも吹いたのかな」と思っていた。
(三郎次お前はまだ2年生だろう！いや俺もAさんもまだ14だけど！！早い！何が！？知らない！！)
兵助が何かと葛藤しているのは誰も知らない。
かぽーんとお湯に浸かるAの周りには、当然ながら誰もいない。
相変わらずこの時代にシャワーなりシャンプーなりがあることにはもう突っ込まないことにした。
体を洗い終わって湯に浸かるAは、今日…というか昨日起きたことを振り返る。
(きり丸達にもユキ達にも会えなかった…会えたのは秀作くんに兵助くん、鉢屋くん…意図的に下級生達に会わせないようにしている…？)
彼女の勘は当たっていた。
Aが連れられた部屋は、下級生はおろか忍たま達から離れた場所にある。
元々その部屋は客間だったので不思議ではないが。
そろそろ出ようと思ったAは湯から上がり、手拭いで体の水気を切って着流しを着て仮面を被る。
………はずだった。
「ユキちゃんおシゲちゃん！じゃあ先にお風呂に入ってるわねー！…ってあら？先客がいたのかし、ら、」
「…………お早うトモミ」
「」
「！！？？？？」
トモミが生まれて初めて鼻血を出すまであと2秒。
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HANON(プロフ) - くまのんさん» 光栄です。ありがとうございます。 (5月4日 21時) (
レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
くまのん - とっても面白かったです‼ (5月3日 21時) (レス) @page25 id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 不透明どろっぷ。さん» ありがとうございます。更新はめちゃくちゃ不定期なので、ふと思い出した時に見ていただけたら嬉しいです。 (2月8日 23時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
不透明どろっぷ。(プロフ) - 3年ぶりくらいに見てみたら結構進んでた…！今見返してみたからこそわかるネタとかも結構あって面白かったです。続き楽しみにしてます。 (12月22日 23時) (レス) @page25 id: f6e73ed9d2 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - あまねさん» 見つけてくれてありがとうございます (11月5日 12時) (レス) @page24 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2019年9月26日 23時
