全速力 ページ14
トモミがA(の体)を見るや否や鼻血を出し、膝から倒れた。
Aは慌てて着流しを着てトモミの元へ行き、どうしようとあたふたする。
しかしトモミは何を思ったのか、Aを見て目をくわっと開いて叫んだ。
「鼻血なんて出てませんっ！！」
(出てるよなんで嘘つくの)
思っていてもなかなか口に出せない女、その名は朝霧A。
トモミの叫びがユキ達の耳にも届き、ユキとおシゲがこちらに来た。
そしてAを見てめちゃくちゃ驚く。
本来この学園にいないはずの彼女がいるのだから。
「「Aさん！？」」
ちょうど良かったとAは思い二人に使っていなかった手拭いを渡し、トモミの鼻を押さえていろというジェスチャーをした。
なんとなく伝わった二人は手拭いを受け取り、トモミの鼻を押さえて出血を止める。
その間にAは全速力で廊下を走って保健室へ向かった。
あそこなら出血を抑えるものなり何なりが揃っているだろうと思ったからだ。
「「「足速っ！！！」」」
着流しの格好をしているにもかかわらず何故全速力で走れるのか。
そして速い。下手したらシナ先生に匹敵する。
あっという間に彼女は廊下の曲がり角を曲がって見えなくなってしまった。
「ふあぁ〜〜流石に早朝に動物の世話は眠い…」
今日は一日中潰れる予定である五年生の竹谷八左ヱ門は、朝早くから起きて飼育小屋に向かっていた。
生物委員会委員長代理である彼は、毎日動物小屋の世話を欠かさず行っている。
そのため今回のように昼間に時間が取れない時は、早朝に済ませるのだ。
五年生の部屋から飼育小屋へ向かう途中のことだった。
後ろから物凄い速さで走ってくる音が聞こえ、反射的に後ろを振り向く。
「……！」
「！？」
すれ違った瞬間、“その人”と目が合った。
珍しい髪色で珍しい瞳の色。
ほんの少し日本人離れした顔立ち。
一瞬だけでも十分に分かった。
「おーい八左ヱ門！」
「私達も手伝うよ」
同じクラスである雷蔵と三郎も遅れてやって来た。
二人も飼育小屋の世話を手伝ってくれるのだが、八左ヱ門の耳には届かなかった。
その代わりに八左ヱ門は口を開けて言う。
「…今、雪の結晶の化身みたいな人通んなかったか？」
「えっ」
「………」
八左ヱ門の質問の意味が分からなかった雷蔵は困惑し、質問の意味が分かってしまった三郎は片手で顔を覆った。
同じ顔なのに別々の反応だった。
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HANON(プロフ) - くまのんさん» 光栄です。ありがとうございます。 (5月4日 21時) (
レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
くまのん - とっても面白かったです‼ (5月3日 21時) (レス) @page25 id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - 不透明どろっぷ。さん» ありがとうございます。更新はめちゃくちゃ不定期なので、ふと思い出した時に見ていただけたら嬉しいです。 (2月8日 23時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
不透明どろっぷ。(プロフ) - 3年ぶりくらいに見てみたら結構進んでた…！今見返してみたからこそわかるネタとかも結構あって面白かったです。続き楽しみにしてます。 (12月22日 23時) (レス) @page25 id: f6e73ed9d2 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - あまねさん» 見つけてくれてありがとうございます (11月5日 12時) (レス) @page24 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2019年9月26日 23時
