【stpr】こんなダメ人間に恋したとか本気ですか？

ダメ人間27 ページ29

『じゃあ行ってきます』

さとみくんにそう告げて家を出ようとすると呼び止められる

さ「あ、待って。送ってく」

『ほんとに？さとみくん仕事は？』

送っていくと言っても、もうすでに普通の会社であれば遅刻になっているであろう時間

こんな時間に人を送る余裕なんてあるのだろうか

と言うかそもそも何の仕事してるんだろう、全然聞かなかったけど

私の脳内を疑問が支配するなかそう尋ねるとさとみくんは視線をあちらこちらに飛ばした

さ「あー、仕事についてはまた後で話すわ。取り合えず面接いこ」

そう促されるまま面接へと足を運んだ






『う、穴あきそう・・・』

到着したのは見るからに立派なビル

もうなんか佇まいからして私を拒んでる、絶対拒んでる

お前みたいなダメ人間が来るところじゃねぇんだよ！みたいな感じがするくらい綺麗で立派なんだよ？

穴あきまくるわ

そんなストレスに胃をやられながら面接のある会議室に向かう

途中途中で向けられるちゃんとした社会人の皆さんの視線が痛い

厳しい目じゃなくて、何なら優しい目なんだけどそれが痛い

ダメ人間にそんな目を向けるなよ、傷口に塩塗られてる気分だわ！

余計にストレスが増したが何とか堪えて会議室の扉をノックする

ｺﾝｺﾝ

『失礼しまーす・・・』

な「はーい」

ねぇ待って、この声知ってるんだけど

いや、でもまぁ気のせいだ

じゃないとおかしいもん

そう自分を納得させて中に入る

『こ、こんにちは・・・、！？』

な「こんにちは〜。あ、そこに座ってね〜」

ねぇ待って、顔知ってる人がいるんだけど

な「株式会社STPRの社長してます、七森秋也です」

しかも社長の席に

ぶちぃっ

音をたてて胃が千切れたような気がした

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