番外：兄妹其ノ二 ページ11
時は遡り、京の町を襲った大火から数十日。
武市先生が消息を絶ってから一年近く経つ。
土佐藩邸という居場所失った僕は、先生の知人の妹―――霧島梢の道場に世話になっていた。
梢の兄は、新選組の羽織を着た白髪赤目の集団に襲われて行方知れずだ。
それでもきっと生きていると信じて前を向いている強い女性で、どこか妹のAと似ていると思っていた。
その日、飛脚が僕宛ての文を持って来た。
内容は「土佐の家族から重要な文が届いたから、直接会って受け取ってほしい」といった内容と日時が綴られていた。
梢に字を習っていた僕にでも十分読める内容だったため、この文のことを梢に相談することもなく、僕は愚かにもAからのものと信じ込んでしまった。
月のない日の夜。
文にあった待ち合わせ場所の橋で、僕は月のない寂しい星空を見上げてAを待つことにしたが、すぐに彼女はやって来た。
「こんばんは」
「ん？・・・予定の時間より早い」
「久しぶりに会えるからつい、ね。―――元気にしてた？」
声の聞こえてきた方を向けば、昔から僕だけにしか向けない気のゆるんだ笑顔があった。
Aの笑顔を見ていると、作り笑いしか知らない僕の頬も自然と上がる。
僕は彼女のことが大好きだ。身内贔屓でもなんでもなく自慢するところしかない、本当に良くできた妹だった。
―――そんな、何よりも大切なAを不幸な目に合わせたのは、僕だ。
Aと会話をする中で、僕は今回の待ち合わせが罠であることに気が付いた。
・・・でも、その時にはもう、Aは新選組の者の手によって捕らえられ、首元に小刀を当てられていた。
僕は昔から、Aに危害を加えようとした奴らを許せずに、異常なまでに感情的になってしまうところがあった。
そんな時は、後で冷静になって考えてみると恐ろしくなるくらいに体中に力が溢れて、僕は自分を止められなくなる。
Aの首元に小刀が当てられている。その事実に簡単に感情的になった僕は、人質をとられているにもかかわらず抜刀した。
僕の目の前にやって来た三人の男、Aを捕らえている男、その後ろでこちらを油断なく見ている男を視認し、Aの方に目をやると―――
――――自身に当てられている小刀を空いた手で掴み、首に突き立てようとしているのが見えた。
「―――ぁ！！」
僕が何か声を発する前に、Aの細くて白い首から真っ赤な鮮血が舞い、橋を染めた。
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いちご牛乳二世(プロフ) - 本当に申し訳ないです！お返事いつでも待っております！ (2020年12月7日 4時) (
レス) id: 7192c58253 (このIDを非表示/違反報告)
いちご牛乳二世(プロフ) - 私自身あまり裏語薄桜鬼に詳しくないのもありますが岡田似蔵さんが気になりすぎて岡田似蔵さんオチが見たいなと思ってしまいまして…（苦笑） (2020年12月7日 4時) (レス) id: 7192c58253 (このIDを非表示/違反報告)
いちご牛乳二世(プロフ) - 最後まで読ませて頂きました！とても良かったです！今は未だ正式に完結はしていないのでしょうか？していらっしゃらないのであれば唐突なのですが完結致しましたら基本的な設定はそのままのこの話とは別物として岡田似蔵中心の物語が見たいです！ (2020年12月7日 4時) (レス) id: 7192c58253 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - まんささん» お久しぶりです(^-^)私も喉風邪ひいてしまって、今は落ち着いたんですけど、一時期熱も出てしまいました(T_T)そうですね、気をつけましょうね(＞＜) (2017年10月14日 17時) (レス) id: e978245002 (このIDを非表示/違反報告)
まんさ(プロフ) - 沙夜さん» またまたお久しぶりです！最近喉風邪をひいてしまいました(汗) お互い体には気を付けていきましょうね(><) (2017年10月14日 17時) (レス) id: 4838eaea5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まんさ | 作成日時：2017年1月3日 19時
