【◇】青道のマネしてます 3 (ページ23)

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#120 ページ23

亮介

朝、学校に着くなりAが泣きそうな顔をして俺を見てきた。

泣くなんてことはしょっちゅうだから特に動揺することなく鞄から教科書などを取り出しながら「なにがあったの？」と聞くのは俺なりの優しさだと思う。

『亮介ぇ～…生きててよかったぁ…』

「勝手に殺すな」

しがみついて来ようとするからすっと避ける。

ほんと、なにがあったんだろうか。

「それで？なに？」

『えっと…こ、怖い夢見てね？私ら三年生がひとつの部屋に閉じ込められてて＿＿＿』

と、昨晩見た夢を俺に言ってくる。

夢の中の俺は相当バカだったらしくかなり酷い死に方をしてる。

『それで、朝起きて亮介に何回LINE送っても既読つかないし今日は少しくるの遅かったし…ほ、ほんとに死んだかと思った…』

「だから勝手に殺すな」

『だって！いつも40分にはくるのに今日は55分とかギリギリだよ！？心配するし！』

「沢村が問題起こしてたから片付けてたの。それにAのLINEを既読無視未読無視はいつものことでしょ」

『あ、そっか』

頭脳は天才的なのにこういうとこは子供なAのギャップはなかなかいいと思う。

実際、純もそういうとこ気に入ってるし。

「で？今朝泣いたの？」

『は、はぁ！？泣いてない！』

「目の周り赤いけど」

『これはアイシャドーですぅー、メイクなんですぅー！』

「あ、そう？じゃあ先生にチクってもいいよね？そんなバリバリの濃いメイクしてるんだから。うわぁ、これで内申書下がるねぇ」

『ごめんなさい嘘です』

「嘘だから内申書下げるな」と睨んでくるAに「じゃあほんとは？」と聞けばぐぬぬと顔が歪む。

バレバレだっての。

『…な、きました』

「だろうね」

『分かってたんなら言わせるな』

俺らのために泣いてくれるところもいいとこだと思う。

.

.

『哲ぅー！』
「今日はいつにも増して気持ち悪いな。さすが顔だけ」
『ねぇ、一年生の頃の哲に戻って』