【◇】青道のマネしてます 3 (ページ16)

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「うっるせぇぇぇ！！！！」

突如後ろから倉持にタイキックされた。

「ぐっは！！」と女子力のなさが滲み出てくる叫び声をあげる。

『おまっ…せっかく遊びに来てやった先輩にタイキックが挨拶か！？』

「せっかくも何も毎日来てるでしょうが」

まぁそうなのだけれども。

それもこれも勉強が分からない3年と無駄に問題児の多い下級生のせいだ。

「先輩勉強どうすか」

『んー、まぁそこそこ』

「医学部希望っすか」

『そうっすね』

「今の偏差値なんすか」

『70ちょいっすね』

「死んでくれますか」

『なんでっすか』

死にたくないです。

「…もうすぐ卒業っすね」

『あと半年あるけどね』

「………す…」

『…………ん？？？ごめんなんて？』

いつもうるさいくせになに大人しくなってるんだ、と言いたくなるが心の中で抑えて耳を傾ける。

「まだ、一緒にいたいっすよ…」

『はい？？』

いやいや倉持クン。

誰と？三年生に好きな人でもいるのかな？

まぁこいつのことだから亮介とか言い出しそうだけどさ。

『三年に好きな人いんの？』

「はっ！？」

『なに赤くなってんの気持ち悪いよ』

図星なのか。そうか。

『えぇー？誰々ー？？ミカ？レイコ？あっ、リエ！？』

「いや誰っすか」

『まさかのマユコ！？』

「違いますってば」

『はたまたモモとか！！』

「だからッ！！」

いきなり大きな声を出して私の手首をガッと掴む。

ずいっと真っ赤な顔で近寄ってきた。

「…あ、あんただって……」

一瞬後に私を襲った熱。

どういう意味なんでしょうか。

『え、っと、私っすか…？』

「……」

『ありがと、ね？』

「……」

『倉持サン…』

反応がなくて困る。

手首を掴まれたままオロオロしてると、いきなりバッと顔をあげてゲス顔された。

思わず「は？」と声を出す。

「なに勘違いしてるんすか。だっっ……れもAさんを好きなんて言ってませんけど」

『はぁ！？いやそうだけど明らかに図星って顔してたよね！？』

「はぁ？？？ちょっとコンタクトの度あってないんじゃないんすか。眼科行ってきたらどうです」

『結構です！！』

バシッと頭を叩き腕を振り切った。

なんだよあいつ。私が恥かいただけじゃねーか。

後ろから「ヒャハ、さよならー」とか言ってるけど無視。

まじでふざけるなよ。

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「(どうしようどうしよう。なんて言い訳すればいいんだよ。思わずあんたとか言っちゃったよ…)」