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不安と安心 ページ24

〜高尾side〜

高「うまいうまい。
そのままゆっくり呼吸しようなぁ?
すーはーすーはー。」


完全に呼吸が落ち着く前に
疲れてしまったのか
眠ってしまっていた

どこかしら
まだ呼吸は荒く、
そのまま寝かしては
すぐに発作が起きてしまうかもしれない

寝てしまうと
胸の重さで気道が塞がれてしまい
座ってる方が逆に楽らしい…
なんか翔にぃが言ってた




翔にぃが言ってたことを思いだして
呼吸が一番しやすい体制で
抱いたまま幸にぃが寝てるソファと
違うソファに腰掛けた

体重をかけると同時に
フワッとソファが全身を包み込む


何かが頬を伝った

高「えっ…?」

拭って涙だと気づいた

高「なんだこれ…。」

自分でも声が震えてるのがわかる


怖かった
こんなことは
初めてだ

今までに喘息を見たことが
なかったわけではないが、
1人で対処したのは
初めてだった

薬を与えても
幸にぃなんかよりも
何倍も落ち着かせるのに
時間がかかった

このままずっと
呼吸が落ち着かなかったら?
苦しんだままAが
死んでしまったら?
せっかく頼ってくれたのに
何もしてあげられなかったら?

怖くて怖くて仕方なかった
それでも、お兄ちゃんを演じなくてはいけない
頼りになるお兄ちゃんを
優しいお兄ちゃんを


胸元ではAが
少し荒い呼吸をしながら
寝ている

寝ているだけで
安心した

ちゃんと落ち着くまで
1人で対処できた
Aは死ななかった

良かった…




不安が解消したのと
安心したので一気に涙が
溢れだしたのだった


氷「お疲れ様。」

いつの間には
辰にぃが幸にぃに
毛布をかけていた

焦った俺はそのまま
ダッシュで涙を拭いた

高「あはは…
ずっと見てたわけ?」

氷「いや、さっきね
レポート終わらなくて
ちょっとコーヒー飲もうと
思ったんだけど…

いろいろあったみたいだね?」


高「まぁね…。」

辰にぃは俺とAと
一緒に毛布をかけてくれた

氷「目、冷やしとかないと
明日腫れるよ。」

さすが、ファッション系の
仕事に属しているせいか
辰にぃはその辺に細かい

高「ありがと」

目にタオルを置いた後
辰にぃは俺の頭に置いて

氷「よく頑張りました。」

とだけ言って
リビングを出ていった



また涙が伝って行く

高「ほんと、兄ちゃんたちはかっこいいな…。」

休日→←つらい



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M・Mっち - スッゴい爆笑しました!面白かったです。出来れば、主人公ちゃんの高校になったバージョンも書いてください!めっちゃ気になります《*≧∀≦》 (2017年8月25日 15時) (レス) id: 95655e0ce7 (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ - すっごいおもしろかったでーす! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 753bcca2df (このIDを非表示/違反報告)
神奈(プロフ) - 面白かったです(*´艸`) (2016年9月27日 13時) (レス) id: ea512469e5 (このIDを非表示/違反報告)
翔子 - おもろかったー (2016年9月24日 14時) (レス) id: e30596583d (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - 完結おめでとうございます。面白かったです!この間スーパーで「大好きなのは〜向日葵と金〜」って歌ってる子供がいましたwww (2016年8月7日 2時) (レス) id: eb1e81f969 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だいふく | 作成日時:2015年2月7日 16時

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