かもん！カラ松ガール

34松．次男の束縛 ページ34

【カラ松said】




Aのことを止められなかった。

胸に後悔の念が疼くが、それ以上でもそれ以下でも無い。
ただ、自分の頭には虚無感と焦りだけが募っている。


合コン。スウィートなる夜を過ごす男と女の出会いの場。

少し前までの自分であれば、喜んで参加していただろう。

けれども、今回は別だ。

行くのは自分ではない。

大好きなAちゃんなのだ。


もし、彼女に愛するダーリンが出来てしまったらどうしよう。
自分は歓迎出来るだろうか。


……出来ないな。


知らなかったのだ。自分がこんなにも、嫉妬深い嫌な奴だと。

はあ、と溜息をついているとーー。


赤)｢カラ松〜お前、何してんの｣


ぽん、と肩に乗った手の行方を見ると、それは缶ビールを片手に持つおそ松だった。

青)｢あ、ああ……何でもないぞ｣

赤)｢嘘つけ、長男舐めんなよ｣


おそ松はいつの間にか新しい缶を持ってきて横に座り、それを俺に放り投げた。

……気遣い感謝するぜ、ブラザー。

いい音を鳴らすプルタブを開け、ぐびぐびと飲み進めていく。

冷えたそれは、ぬるくなっていた頭を直すのにピッタリだった。


赤)｢トッティーから聞いたぜー？Aちゃん引き止めなかったんだろ？｣


引き止める……ことは出来なかったながらにも、言葉を発してしまった時の彼女の顔はよく覚えている。


｢嫌だ｣


そう言ってしまった時、彼女の瞳が揺れるのをはっきりと見た。


後悔させてしまったのか、それとも……


赤)｢ばっかだなぁー、お前。んなのハッキリ行かせないって言えばいいだろ｣

青)｢折角、Aちゃんのベスト･フレンドを増やす機会なんだ。
ここは、地に降り立てぬ堕天使の如く見守るのが優しさ…だろう？｣


友達が成人済みニート6人とトト子ちゃんだけではやはり寂しいものもあるのだろう。


赤)｢フレンドで済めばいーけどな。
ま、俺それぐらい関係ねぇーし？Aちゃんに彼氏が出来ようともぶっ倒すだけだろ｣


結局関係しているじゃないか、なんでツッコミをするべきか迷ったが、兄貴の目はマジだ。

きっと本気でぶっ倒すつもりなので、触らぬ神に祟りなし。触れないことしておく。

青)｢……なあ、おそ松。俺はどうしたらいいんだろうな｣


赤)｢知らんわ、そんなの。素直に言うのが一番だぜ？パンツ見せて下さいって｣


青)｢生憎俺にそんなに趣味はない｣




明日は合コン。





さて、どうしたものか。

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