かもん！カラ松ガール

22松．おむすびころりん ページ22

あ)『出来ましたよー』

黄)｢やったあああ！！！｣

台所から居間にいる十四松さんに叫ぶと、ドタドタという音と共に黄色い人物が走り寄って来る。

松代さんから許可をもらい、間食としておにぎり10個を作らせてもらった。


余りきった袖を振り回しながら、十四松さんは台所に飛び込む。


黄)｢すっげぇ！！ね、持ってっていい！？｣

あ)『どーぞっ』

おにぎりの乗った器を渡すと、また光の速さで戻っていってしまう。


青)｢ああ、こんなに……すまないな｣

あ)『いーえ、これぐらいでしたらいつでも！！』

申し訳なさそうな口調だが、どこか嬉しそうに居間のカラ松さんが微笑んだ。


黄)｢いっただきまーす！！！｣

手をパンっと叩いて十四松さんは1番近いおにぎりを手に取って頬張り始める。


そして……



黄)｢！？！？｣

ぐムッと1回驚いたような顔で頬を止める。


青)｢ど、どうした十四松……｣

固まってしまった彼をカラ松さんが心配そうに揺さぶる。


黄)｢……カラ松兄さん、具は何が入ってると思う？？｣

ゴクンと1回飲み込んだ後、十四松さんは静かに問いかけた。

青)｢えっ？そ、そりゃあ鮭とか梅干しとかか……？｣


案の定、騙されるカラ松さん。

ふっふっふ…、実はそのおにぎりの具はなぁ……。


ニヤニヤと十四松さんと目を合わせて笑う。


黄)｢ま、食べてみ兄さん｣

新しいおにぎりをヒョイっとカラ松さんの手のひらに乗っけた。


カラ松さんは恐る恐る口を開くと、パクリと食べてくれた。




青)｢…………！！！！｣


青)｢こ、これはっ……｣





青)｢唐揚げおにぎり……だとっ！？！？｣



目を大きく見開いて、こちらに確認をとるカラ松さん。



あ)『ふっふっふ、どうだ！美味しいでしょう？』



そう言うと、2人とも目を輝かせてぱくぱく食べていってしまう。



カラ松さんは肉食…なんだよね、確か。


唐揚げおにぎりは気に入ると思ったが、ここまでか次男よ。


私も1つ手に取りパクッとかじる。
うん、我ながら上手くできたな。感心感心。


そう思いながら食べていると、カラ松さんがこちらを見てクスッと笑った。


そして、ゆっくりと私の顔に手を伸ばす。



あ)『え、えっ！？』


顔までが近づき、ドキマギしていると…。



青)｢ははっ、ご飯粒ついてるぞ｣


そう言って唇の辺りにあったであろうご飯粒を取り、パクリと食べてしまった。




あ)『は、反則です……』



そのカッコよさはどうなのよ。

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