1 WC ページ3
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その物語の始まりは、WC開会式後に遡る。
黄「つーか呼び出した本人が最後って…どうなんスか。」
緑「仕方ない。そういう奴なのだよ。あいつは。」
会場となる体育館の外の一角、そこには異様な雰囲気が漂っていた。
赤「やあ…待たせたね。」
そして、かつての仲間達は集まった。
言わずもがな、彼らが思い出すのは卒業式後の体育館での誓い。
そして彼らの頭の中にも、もう"彼女"の姿はほとんどなかった。
皆、目の前の戦いしか見えていないのだ。
赤「真太郎、ちょっとそのハサミ、借りていいかな?」
すると、来て早々、赤司は髪が邪魔だと言い、緑間からハサミを貰う。
赤「ああ、その前に……
火神大我君……だよね?」
ザシュッッッ
火「!?!?」
赤司は刃先を火神に向け、いきなり突き刺した………
誰もがそう思い、目を瞑って息を呑んだ…
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_______________________はずだった。
バンッッッ
ダンッ、ダン、ダンダン………
そこに響いたのは、皆が想像した刃と皮膚が擦れると音ではなく、赤司の手とボールの当たる音。
そしてハサミは、どこからともなく投げられたボールによって、地面へと叩きつけられた。
赤「へぇ…。」
赤司は、自分の攻撃を火神が避けることは予知していた。
しかし、想定外のことに一瞬困惑し辺りを見渡したが、ボールを投げたと思われる人はいない。
赤「こうなることは予想外だったが……
まあいい。どちらにせよ君は避けていただろうからね。今回は許そう。
…だが次はない。」
火「(っはぁ!?どちらにせよって、わかんねーけど今ボールが飛んでこなかったら俺…!
てかあのボールがハサミを弾いたのも、鼻スレスレのとこだった……)」
それから、赤司は何事もなかったかのようにハサミを拾い、前髪を切り出した。
この世は勝利が全て。勝者は肯定され、敗者は否定される、と。
それから程なくして集まりは解散となった。
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が、誰も居なくなったそこに佇む少女が1人。
そして彼女は、ボールを拾って呟く。
『全てに勝つ僕は全て正しい、ね…。』
晴天のもと、冬の冷たい風が彼女の髪を揺らした。
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こと(プロフ) - 続き気になります!!!もうちゃくちゃ面白いです!!!!!更新待ってます!!!!! (12月27日 21時) (レス) @page31 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奈(プロフ) - 続きを楽しみにしています!! (2022年6月4日 14時) (レス) @page31 id: 43e26a5008 (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - すごく面白いと思いました!!!更新、頑張ってくださいね (2021年9月8日 20時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
tukina0123(プロフ) - とっても面白かったです!!続きをお待ちしています (2021年8月11日 23時) (レス) id: 9d282b76d8 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります、更新頑張ってください! (2021年6月13日 8時) (レス) id: e3d32f191f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し31457号 | 作成日時:2020年5月30日 23時