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『……決勝、いい試合だった。』




赤「ああ。……全中3連覇の後、Aが言っていたことの意味がようやく分かったよ。


勝利よりも大切なこと……こういうことだったんだな。」



私はコク、と頷いた。

そう、そうだよ。やっと気づいてくれた。征だけじゃなくて、他のみんなも…。






赤「君には……辛い思いをさせてしまったね。

本当にすまない。…謝っても許されることではないが…。」




『ううん、十分だよ?

わかってくれたならそれでいいの。それに、私も征と同じだった。みんなの才能が開花して、バスケへの意欲が薄れていってしまうのを…私も皆に勝つことでつなぎ止めようとした。

結局テツ君にみんなのこと任せて、私はアメリカに行った。……征が不安定な時に…そばにいてあげれなかったし。』





冷たくもどこか柔らかい風が、私の髪を揺らした。




『私は…、みんなから逃げた…。』



自然と胸が締め付けられる。

アメリカに行くことが最善、そう思っていたはずなのに。…征を目の前にすると、何かの罪悪感からか私はこんなことを口走っていた。





赤「…変わらないな。」



『え、?』



赤「俺達のことを最優先で行動するところ…あと、



そうやって、自分だけを責めるところも。中学の頃から変わってない。」



『だって、』




赤「……もう1人で抱え込むな…。』





以前の彼ならなんと言ったかは、予想がつかない。ただ、今目の前にいる征の口から出た言葉は、あの懐かしい優しさを帯びていた。




赤「君のことだ、大方、俺たちのことを思って、俺たちから離れたんだろう?

随分と派手に苦労をかけてしまったな…申し訳ない。

でも俺たちは、お前たちのおかげで変われたんだ。」






『っ征……』グス


今までの行いが、辛さが報われた気がして、涙が溢れ出した。


途端、私はふわりと征の香りに包まれた。

よく頑張ったね、と言われているかの様に頭を撫でられ、私はそれまで抑えていた気持ちが込み上げてきた。



『…ずっと、みんなに………


征に、…会いたかったっ…。』








赤「Aっ……。」




抱きしめられている腕に、力が入ったのがわかった。
征も試合後で疲れているはずなのに…なんか申し訳ないけど、それ以上に幸せを感じた。






***************





赤「…落ち着いた?」


『うん、ありがと。』






それからしばらくして、私たちはもう一度ベンチに座り直した。






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こと(プロフ) - 続き気になります!!!もうちゃくちゃ面白いです!!!!!更新待ってます!!!!! (12月27日 21時) (レス) @page31 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
奏奈(プロフ) - 続きを楽しみにしています!! (2022年6月4日 14時) (レス) @page31 id: 43e26a5008 (このIDを非表示/違反報告)
ちるせ(プロフ) - すごく面白いと思いました!!!更新、頑張ってくださいね (2021年9月8日 20時) (レス) id: f5cbf3376d (このIDを非表示/違反報告)
tukina0123(プロフ) - とっても面白かったです!!続きをお待ちしています (2021年8月11日 23時) (レス) id: 9d282b76d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きがめっちゃ気になります、更新頑張ってください! (2021年6月13日 8時) (レス) id: e3d32f191f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し31457号 | 作成日時:2020年5月30日 23時

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