No.74 どんな人 ページ27
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A「……ん…」
うっすらと目を開ける
ボヤボヤした視界が次第にクッキリ見えるようになるとあたしは上半身を起こした
あれ、なんであたし自分の部屋にいるんだ?
A「???」
?マークばかり浮かび上がるあたしは頭をフル回転させ記憶をたどる
『影山はもうここにはいない!!』
思わず「あ」と声を漏らす
そーだそーだ。あの鬼道くんの言葉でなんか
妙に安心しちゃってそれで……
ここから記憶がない
気づいたら部屋(ここ)に居るってことは……
A「…………倒れた、のか」
ん?じゃああたしは鬼道くんに運ばれたってこと!!?
あー……
お礼言わなきゃ
倒れたくないんだけどなぁ
今日は特訓に励みすぎたのか…
今思えば、練習初日で倒れるあたしってなんなんだろう
2回目か…倒れるの
A「……」
まあとにかく、お礼を言いにいこう
ベッドから出て、部屋を出た
…食堂にいるー…かな
ん?
あたしの目に映ったのは、食堂のドアに寄りかかり、腕組みをしている久遠監督だった
なにしてんだ、あの人
てか久遠監督がそこどいてくれなきゃ、
あたし食堂入れないじゃん…
A「……あ、の…」
恐る恐る話しかける
久遠「!」
A「……その、いいですか、そこ…」
食堂のドアを指さす
すると久遠監督はすんなりどいてくれた
久遠「立花」
A「は、はい!」
久遠「お前の父親はどんな人なんだ?」
A「…………え?」
ワンテンポ遅れてやっと「え?」と声を出す
あたしのお父さん?
ど、どんな人?
A「あたしのお父さんは……」
『なんだその口の聞き方は!!!』
『そんなのもできないでどうする!!!』
無意識に髪の毛をくしゃりと掴む
A「教師、やってます」
どんな人、という質問からはかなり遠ざかり
どんな職をしているんだ?という質問の返答のようになってしまった
「そうか…」と久遠監督は言って、どこかへ行ってしまった
なんだったんだ……?
まあ…いい、か
鬼道くんにお礼言わなきゃね
あたしはカチャッと食堂のドアを開けた
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作者名:るぅ | 作成日時:2017年9月26日 23時