孤剣士銀狼。 ページ26
社｢…ふむ。ではこうするのはどうだ？
今、此処で全ての過去を清算する。｣
社長の全身からでる凄み。それをポートマフィアの部下達は感じ取ったのであろう。武器を取りだしてポートマフィア首領と社長の元へ走り出す。
が、彼らが何かする前に、社長の刀がポートマフィアの部下達の銃の先を切り落とし、短刀の刃を切った。
しゃがんだ社長の首に添えられた手術刃。そしてそれを持つポートマフィア首領の首に突き付けられた社長の刀先。
そんな中、公園内の造形物にひょいっと腰掛ける太宰さん。緊張感がない…。…片腕が使えないというのはそんなにも付かれるものなのでしょうか？
私は彼のすぐ側に立って首領と社長の様子を伺う。
首｢…刀は棄てた筈では？
孤剣士｢銀狼｣、福沢殿。｣
社｢手術刃で人を殺す不敬は相変わらずだな、森医師。
相変わらずの幼女趣味か？｣
首｢相変わらず猫と喋っているので？｣
会話の途中、社長の姿が揺れる。
潤くんの｢細雪｣だ。
首｢…立体映像の異能か。
楽しい会議でした。続きはいずれ戦場で。｣
社｢今夜、探偵社は呪いの異能者、｢Q｣の奪還に動く。｣
背を向けてこの場から立ち去ろうとしていたポートマフィア首領だったが、その言葉を聞いて｢それが？｣と顔だけ社長に向ける。
社｢今夜だけは邪魔をするな。互いの為に。｣
首｢何故｣
社｢それが我々唯一の共通点だからだ。
｢この街を愛している｣。
街に生き、街を守る組織として、異国の異能者に街を焼かせる訳にはゆかぬ。｣
首｢組合は強い。探偵社には勝てません。
ではまた。｣
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作者名：めぐ | 作成日時：2020年4月7日 18時
