太宰さんと逢瀬? ページ25
太「Aちゃん、逢瀬をしよう!」
『……太宰さん
……と社長と国木田さんとですか?』
ど、どういう事なのでしょうか…。
社「ポートマフィアと密会がある。Aも来てくれるか?」
『…私が行っていいんですか?』
太「Aちゃんも必要になると思うからね。」
『判りました。行きます。』
少し高めの花壇の上に足を組んで座る太宰さん。美しいです…。
『太宰さん、お写真いいですか?』
太「かっこよく撮ってくれ給え。」
『はい!』
パシャパシャと何枚も角度を変えて撮り続ける。どこから撮ってもかっこいいです、素敵です、最高です。
『…』
手を止め、スマートフォンを外套のポケットにしまう。
太「来たね」
『はい。』
数人の足音と気配。太宰さんはトっと花壇から降りる。嗚呼、なんて可愛いのでしょう。
太「ようこそ、首領。」
首「四年振りだねぇ。
私が買ってあげた外套はまだ使っているかい?」
太「もちろん。
焼きました。」
互いにニコニコとしているものの、物々しさがある。太宰さんが「焼きました」と言った時のポートマフィアの首領は少し悲しげに見えた。
社「ポートマフィア首領、森鴎外殿。」
後ろから社長の声。目だけを向けると、国木田さんが少しだけ不安そうな顔をして社長が前に進むのを見ていた。
首「武装探偵社社長、福沢諭吉殿。」
ポートマフィア首領もざっと社長へ足を進める。
ポートマフィア首領と武装探偵社社長。二人が顔を合わせる。双方の部下全員に緊張が走る。
密会での内容は、探偵社の「或る新人」がポートマフィアとの「同盟」を具申した。きっと敦くんの事。故に、「一時的な停戦」の提案。
ポートマフィアの首領が簡単にはい判りました、なんていう筈がない。
首と「協定違反をしても罰するものがいない。停戦の約束を突然マフィアが破ったら?探偵者が裏切ったら?
損をするのは停戦協定を信じた方のみ。先に裏切った方が利益を得る状況下では限定的停戦は成立しない。あるとすれば完全な強調だが…」
太「それも有り得ない。」
首「その通り。マフィアは面子と恩讐の組織。部下には探偵社に面目を潰された者も多いからねえ。」
社「私の部下も何度も殺されかけているが?」
首「だが死んでいない。マフィアとして恥ずべき限りだ。」
探偵社とポートマフィアじゃそもそも考えが違う。この交渉、やはり無理だったのでは…?
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時