激推ししてます、太宰さん！2

溺愛の太宰さん。 ページ22

｢…あと、端末返し忘れてた。はい。｣

彼は胸ポケットをごそごそと漁り、スマートフォンを渡す。忘れてた…。
電源のボタンを押してみると、｢圏外｣。それはそうか…。


中｢は…？なんで手前が持っていやがる！｣

太｢捕まる直前に逢瀬していたのだよ。早朝からね！そのまま一緒に出社だよ。私達は朝から晩までずーーーっと一緒なのだよ！家も一緒だからね！｣


中｢同棲か…？｣

太｢そう！｣

『社員寮です。』

ちょっと！という太宰さんの声を聞き流し、彼から離れ、中也さんの元に少しだけ近づく。
とはいっても太宰さんが一歩踏み出せば掴める距離。



太｢何してんの！？｣


『中也さん、私はポートマフィアが怖いです。芥川に襲われたこともあるし…。
そして貴方も怖いです。貴方の怖い所を今日、知ってしまったから。
…でも昨日出会った貴方に恐怖は感じなかった。むしろ……好印象でした。

私は貴方をまだ知らない。もっと、中也さんの事が、知りたいです。』

中也さんは目を丸くしてから、ふっと目を閉じて口元を緩ませた。

中｢…クソ鯖が溺愛する理由も判るぜ。天然タラシだな、お前は。｣

『？』

後ろから、はあ。と大きなため息が聞こえた。腕を引かれ、突然の事にグラつく体を後ろからいつもの温かさが包んだ。


太｢そうなのだよ。誰にでもこれだから困っちゃう。｣

中｢まあ手前の物でないことは判った。｣

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