激推ししてます、太宰さん！2

太宰さんに会いに来た。 ページ14

ぽたぽたと何かが垂れる音がする。
ふわあ、と欠伸をする太宰さん。

太｢Aちゃーん…殴られた所いたぁい。｣

『…自業自得じゃないですか。』

太｢つめたいなあ。｣

先程の太宰さんの目の冷たさを見て、隣にいる人は本当に私の知っている太宰さんなのか、という謎の不安に襲われている。

太｢ね、こっちみて。｣

『なんでですか。』

太｢いいから。｣

顔を上げて横を向く。こんな所にいても美しい。

太｢口元、切れてる。｣

ここに連れて来られた時に殴られた。大変痛かった。誰だか分からないけど許さないぞ。


太｢私、本当に元ポートマフィアなのだよ。…怖いかい？｣

『…』


怖くないかと言われれば怖い。でもそれも太宰さんの一部。今の太宰さんを形成する過去なのだからそれすらも愛せる。


『…私が推しているのは太宰さんです。ポートマフィアであろうが、探偵社であろうが、太宰さんは太宰さんです。』

太宰さんがジャラっと手錠を鳴らす。

太｢ふふっ、Aちゃんらしいね。


…そろそろ頃合いだ。｣

『え？』


｢相変わらず悪巧みかぁ太宰！｣


コンっとヒールの音がなる。

太｢…その声は…｣

階段をコンコンと音をさせながら降りてくるのは素敵な帽子をかぶったオシャレな……中也さん。

中｢こりゃ最高の眺めだ。百億の名画にも勝るぜ｣

太｢最悪。うわっ最悪。｣

ポキパキと指を鳴らしながら近付いてくる中也さん。

中｢良い反応してくれるじゃないか。嬉しくて縊り殺したくなる。……で、なんでお前がここにいる？｣

私に目を移す。こちらが聞きたい。なぜ、ポートマフィアに、中也さんが。

太宰さんの元相棒。→←殴られる太宰さん。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す