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「…だって」
五 「うん」
大きな手に背中をさすられて、頭を撫でられて
心のわだかまりが溶けてなくなっていくようだ
「悟、慣れてそうな口調だったんだもん」
五 「僕が?」
「うん
他の女の子にもこういうこといっぱい言っていっぱいしてきたのかなって思ったら」
五 「ヤキモチ妬いたの?」
「…まぁ、そういうことになるかも」
背中を撫でていた手が突然止まったと思えば
すぐさま引き寄せられて、2人の距離はゼロになる
「…っん」
五 「っはぁ、なんでそんな可愛いこと言うかな」
こんなにも醜い嫉妬。まったく可愛くなんてないよ
それでも悟は
五 「だいたい、Aのことを大事にしようと思って大人になるまで手出さなかったのに
…そんなこと言われたら、ねぇ?」
頬が徐々に熱くなるのがわかる
五 「他の女抱いた時も、知らないうちに全員Aに重ねようとしてた
そうでもしないと僕まったく勃たなかったからさ
今思えば無駄な時間だったなー
その時間全部Aといちゃいちゃすればよかった。」
普段は目隠しに隠された
透き通った目に釘付けになる
広い胸に優しく包まれて
五「こんなに大切にしようと思った女の子はホントにAが初めてなんだよ
それだけは理解しててね」
「…うん」
悟の腕の中はすごく落ち着く
どれだけヤキモチを焼いたとしても、身体がここは安心できる場所だって知ってるみたい
「きっとAが思ってるより何倍も
僕はAにぞっこんだよ」
ふいに腕を掴まれて
悟の胸元に当てられる
いつも誰に対しても飄々とした態度のくせに
何故か、その鼓動はとても速いリズムを刻んでいる
「え、もしかして緊張してる…?」
五 「Aのせいでこうなってるんだよ
…オマエをちゃんと大事にできるかなって」
珍しく耳元も赤くなっているようで
私が悟の心を揺さぶってる
それだけで十分に嬉しかった
…きっと、この人になら
「私の初めて、貰ってください」
自分で口に出したくせに
恥ずかしくて悟の顔を直視できない
前髪がすっとよけられ
小さなキスがひとつ落ちてくる
五 「じゃあ遠慮なく。いただきます」
熱を孕んだ目は、私を捉えて離さなかった
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稟(プロフ) - 雪マカロンさん» ありがとうございます!ほのぼの短編集だったはずがだんだんシリアスになってきました爆笑 (2021年4月3日 22時) (レス) id: be56eb441f (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン - 面白いです!更新頑張ってください! (2021年4月3日 9時) (レス) id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽこ | 作成日時:2021年3月28日 1時