楽園なんてどこにもない

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『Daily productionから本日！新たなアイドルユニットが誕生しました！その名もRAVE！！』


『非王道の3人組女性アイドルユニットだそうです！リーダーであり作詞作曲も担当する妃珂！
可愛らしい愛嬌と男前な性格のギャップを魅せる美緒！
そして誰もが認めるメインボーカルの河南！』


『いやぁすごく実力派なユニットですね！』


『男性アイドルが浸透している現在ですが、彼女達は時代を変えるスーパースターになるかもしれませんね！』









パサッ









｢ふぅん.......｣

｢所長殿！敬礼〜！いやぁ驚きましたよ、まさか華宮のお嬢様がアイドルになったとは！｣

｢白々しいね、どうせ調べていたんだろう？天祥院財閥とも関連ある君が、分家である華宮家当主の妃珂のことを調べないはずがないのだから｣

｢いえいえ！さすがは妃珂お嬢様！自分、調べ尽くしましたが、管理が徹底しておりますね！それに、先日の天祥院財閥主催のパーティーにいらしていたそうではありませんか！いやぁこれでは頭が上がりません｣

｢.............｣

｢やはり、ご心配ですか？｣

｢まぁね、デイプロはESではないから、何かあった時に守れなくなる。まぁ、家の力を使ってしまえば、そんなことはなくなるけど｣

｢.......本当にそれでよろしいのですか？｣

｢どういう意味だい？｣

｢失礼ながら、妃珂様の所長殿を見る目は時折冷えた氷のようなものを感じさせます。調べたところ妃珂様は、消えない傷を負っているそうではありませんか｣

｢ふふっ、ダメだね。あまり妃珂については調べないでほしいな｣

｢おや、これはこれは失礼を｣

｢君の言う通りだね、妃珂は1人でなんでもこなせる。あの若さで当主になったのも納得できるほどの秀才だよ。でも、妹のように愛していることに変わりはない｣

｢では、妃珂様がもし刃を向けられたら？｣

｢返り討ちにしなくてはならなくなるけど、でも、妃珂も同じことをすると思うよ。あの子は頭が良いから、できればビジネスで関わりたくないな。だからよく知らない輩に妃珂を近づけさせたくない。先日のパーティーも、欠席だと思っていたんだけどね.......｣

｢...................やはりあれは偵察でしたか｣

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