輪廻転生 (ページ1)

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正義か悪かページ1

20XX年。東京。

異色の装いをした二人は人々の目から逃れるかのように橋の下でぼんやりしていた。

暇を潰すように赤い髪の華奢な体をした青年は唐突にこう切り出す。

青年「人は嫌なことや良くないことはすぐに忘れる」

猫耳の付いた帽子の耳を弄りながら、ノストラダムスはそう言った。

唐突なその言葉に、隣に経つ背の低い少女はその見てくれからは想像もつかない口調でこういう。
白銀の髪がふわっと揺れる。

少女「それは皮肉ってやつかい？」

軍服を破らんばかりの豊満な胸を組んだ腕で持ち上げた独裁者、ヒトラー。

ノス「“そう”とも言うし、“そうでない”とも言う」

ヒトラー「随分と曖昧な答えだね、嫌いじゃないよ。考えるというのは面白い。そもそもどこから考えるというものが出来るのか、物質なのか概念なのか…それとも人智では想像も出来ない何処からか…。まあ、僕らが言えたことじゃないが。罪人として転生した以上、正義と悪が生まれる。だがその正義も所詮は盲目といったところか。元の人間の意識はあり、尚且つ才能と名前だけの偉人モドキに正義も悪もあったものじゃない」

ノス「…あぁ、そうだな」

瞬間、二人の顔スレスレに弾丸が飛ぶ。

ヒトラー「…チッ…あのバカ…ちゃんと始末しろって言ったのに」

ノス「解体フェチには届かねぇよ」

大きな女性のような、鎧の化け物。
目は、閉じている。

ヒトラー「それが成れの果てか、ジャンヌ・ダルク」

何の感情も湧かない目で、それを見上げた。