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貴方.
「A、これ、お前に」
『へ……何これ、お花?』
翔ちゃんが持ってきたのは、白くて小さなお花が植えられた植木鉢。「本当は、花束が良かったんだけど」と苦笑いをする彼は、私の目の前にそれを置いた。
「おやっさんは、離れてる間も、お前と亜樹子の誕生日には必ず花を飾って祝っていたんだ。どんなに忙しくても、一度も忘れずに」
『パパが……』
「だから、今年からはそれは俺たちの役目だ。家族である俺たちが、Aに花を贈る。」
「ささやかだけど、花以外にももう一つ」
そう言ってフィリップくんが渡してくれた箱の中には、きらきらと輝くシンプルなブレスレット。夜空の星をちりばめたみたいに輝きを放っているそれは、優しくてあったかくて……嬉しすぎて泣きそうになるほど。
「花の名前は、アングレカム。花言葉は……【 いつまでも貴方と一緒 】」
『っ……』
「おやっさんは、いつまでもお前のそばにいるよ。」
翔ちゃんの優しい言葉と、背中から感じるフィリップくんの手の温もり。ここに来てから、嬉しくて泣いてしまいそうになることが多すぎる……けれど、不思議なことに、涙は出てこなかった。
代わりに、自分でも分かるほどの笑顔で、「ありがとう」と呟いていた。
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キングミカン(プロフ) - 星原さん» 返信いていただきありがとうございます!シチュエーションですか…やっぱり、夢主が翔太郎とずっと話してて、それにフィリップが嫉妬する…とかですかね?なんか王道すぎてすみません。 (2019年1月29日 21時) (レス) id: c925d19d2b (このIDを非表示/違反報告)
星原(プロフ) - キングミカンさん» 初めまして!ありがとうございます!リクエスト嬉しいです(^_^)シチュエーションを細かく説明してもらえたらありがたいです! (2019年1月29日 20時) (レス) id: 7b61f158ca (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 初めまして!この作品を楽しく読ませていただきました!夢主ちゃんとフィリップのど飴舐めてるから短編集みたいなのが見たいです!無理言ってすみません。無視してくださっても構いません。ですが、出来れば見たいです!お願いします! (2019年1月29日 19時) (レス) id: c925d19d2b (このIDを非表示/違反報告)
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