20. ページ20
貴方.
『……ん、』
お姉ちゃんの結婚式は無事に終わり、翔ちゃんとフィリップくんと三人で事務所に帰ってきた……ところまでは、記憶があるんだけれど。
変な姿勢で寝ていたのか、少し痛む首をさすりながら辺りを見渡すと、私はフィリップくんの部屋で、彼にもたれながら寝ていたらしい。
すぐ近くに綺麗な寝顔があって、驚いた私は叫んでしまうのを堪えるために、両手を口に当てた。
『……きれー、』
フィリップくんは私のことを褒めてくれるけれど、そう言う彼の方がよっぽど容姿端麗だと思う。睫毛だって、こんなに長い男の人いる?ってくらい。
ぼんやりとその横顔を眺めていると、ふと頭によぎるのは、フィリップくんへの気持ちについて。
『多分、いや、絶対……好き、なんだろうな』
翔ちゃんに感じる気持ちとは違う、心が安らぐような、それでいてときめきが止まらない感覚。
今までに出会ったことのないタイプの人だからと言えばそうだけれど、それでも、こんな風に誰かを想って幸せになれたことはなかった。
フィリップくんの頰に触れると、ぷに、と指が沈む。
『……好き、』
小さすぎて少し掠れた私の声は、誰の耳に入ることもなく消えていった。
104人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キングミカン(プロフ) - 星原さん» 返信いていただきありがとうございます!シチュエーションですか…やっぱり、夢主が翔太郎とずっと話してて、それにフィリップが嫉妬する…とかですかね?なんか王道すぎてすみません。 (2019年1月29日 21時) (レス) id: c925d19d2b (このIDを非表示/違反報告)
星原(プロフ) - キングミカンさん» 初めまして!ありがとうございます!リクエスト嬉しいです(^_^)シチュエーションを細かく説明してもらえたらありがたいです! (2019年1月29日 20時) (レス) id: 7b61f158ca (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 初めまして!この作品を楽しく読ませていただきました!夢主ちゃんとフィリップのど飴舐めてるから短編集みたいなのが見たいです!無理言ってすみません。無視してくださっても構いません。ですが、出来れば見たいです!お願いします! (2019年1月29日 19時) (レス) id: c925d19d2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ