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黒き翼〜大好きだよ〜 ページ3

私は美しい格好をして、屋敷を出た。


私の周りには沢山のマーレの民が警護していた。

手には手錠をつけていた。しかし、女王が手錠をするなどという常識外れなことは、国民が許すわけなく、私は美しいシミ一つないハンカチで手錠を隠していた。


私はある家へ向かっていた。


『あと、どのくらいで着くことができますか?』

「ほんの数分です。」

『ありがとうございます』


数分歩いた先には、グリシャ・イェーガーの両親が私を待っていた。


「A様が来て下さるなんて光栄でございます。」

深く頭を下げる二方の顔を上げさせる

『いえ…頭をあげてくださいませ。今回はジークに会いに参りました。どこにいますか?』

「奥の部屋でございます。」

『ありがとうございます。』




私はマーレの兵士をドアの前で待たせ、先へと進んだ


ジークのいるであろう部屋をノックし


『こんにちわ…ジーク……お久し振りですね。元気にしていましたか?』

中へと入った


「ね、ねぇ、姉さんっ!!」

ジークは私に抱きつき、私はバランスを崩し床へと転んだ


反動でハンカチは取れさり、私の手錠はジークの視界に入った

「!!??」

ジークは口を開けたまま、何も発さない


『今日は…遊びに来たのではありません。…

ジーク……貴方にお別れを言いに来たのです。』

ジークは、目を見開く


『私は、貴方が密告した人々と共に…



楽園へと向かいます。』

大きく開いた目からは大粒の涙がこぼれる。


私はポケットから美しい刺繍のついたハンカチを出し、ジークの目を拭いた



『泣かないでください…ジーク。』

「ぼ、ぼくはぁ、姉さんっを、守るためにぃっ…」

私はジークの頬を全くと言っていいほど動かせない手で、精一杯包んだ


『ありがとうございます…、私を助けようとしてくれたのですよね?

私は、ジークに感謝の限りです。



けれど……エルディアの民の失態は、王家の血を継ぐ私にしか償えないのです。



だから、ジークはこれから、叔母様と叔父様に良くしてもらうのですよ。



貴方は政府に関わらないでください。



貴方は、王家でもない、普通の子供です。』

「姉さんっ、行かないでよぉ」

『ジークが生きていてくださるのなら、私を思い出すことができます。


私は死んでも死にません。



ジーク、大好きです。』



私は、ジークからゆっくり離れ




『ジーク……生きて_____』



その場をあとにした

黒き翼→←黒き翼



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桜哉(プロフ) - 雪魅月さん» 応援ありがとうございます!!もっと好きになってもらえるよう頑張ります!! (2017年6月5日 18時) (レス) id: 83d81bbdb7 (このIDを非表示/違反報告)
雪魅月 - 最高です!この小説、大好きです!続き期待してます! (2017年6月4日 20時) (レス) id: 930625bca4 (このIDを非表示/違反報告)
桜哉(プロフ) - みぃちゃん,mさん» コメントありがとうございます!楽しんでもらえるよう頑張ります! (2017年6月4日 9時) (レス) id: 83d81bbdb7 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - 続編おめでとうございます!応援してます!! (2017年6月4日 1時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
桜哉(プロフ) - 白くまさん» コメントを励みに頑張ります!!ありがとうございます!!! (2017年6月3日 20時) (レス) id: 83d81bbdb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜哉 | 作成日時:2017年5月26日 21時

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