【文スト】素敵帽子の溺愛する彼女は最強無敵の電撃姫

電撃×23 side中原 ページ25

あれは、『羊』の縄張りで奇妙な実験を行なっている施設を潰しにやって来ている時だった。


扉を異能力で壊し中に入っていく。

［羊だ！羊の王中原中也だ！］


白い白衣を着た男女が逃げ惑う中異能で仕留めていく。


奥に奥に進んでいくと一つだけ作りの違う扉があった。


扉の前には武装した数人の男が立っていたが、銃弾はすべて異能ではじき返した。


扉には鍵はかかってなく、異能なしでもすぐに開いた。


扉の奥には金色に輝く少女が座っていた。


金色の瞳は月を溶かし込んだかのように美しく、その瞳に俺が映った時、脳に甘い痺れが走った。


平静を装って声をかける。
「手前、この施設のもんか？」


こんなことを聞きたかったわけじゃない。なんと声をかければ良いか、わからなかった。


少女は無機質な声で答えた


『そうや。もう少しで施設を出ていく予定やったが、もう出られるみたいやなぁ』


その言葉に引っかかって眉をひそめると少女は続けた。


『殺すんやろ？』


その言葉になんの感情もない。あるのは死への渇望のみ。


この少女が死ぬのを想像するとひどい憤りを覚えた、目を細める。


いらねぇってんなら、俺が貰う。


「俺についてこい。その命いらねぇって言うんなら、俺が貰う。」


差し出したその手を、少女は受け入れた。

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