仲間 ページ8
「落ち着いた?」
隣に座りかけながら話し掛ける。
先程まで泣き喚いていた少年は今は静かに鼻をすするだけになっていた。
「まあとりあえずは……」
泣き腫らした目を拭いながら少年が答えた。
ずっと泣いていたせいでかなり目が腫れている。
「落ち着いたならよかった、じゃあ私そろそろ行くね!」
「えっちょっと待って??ここは普通一緒に行動するよね???なんでさも当たり前のように別行動しようとしてるの???」
「だってこれ試験だし一人行動しないと意味なくなると思うし…」
「いやいやいやそんなことないよ絶対!!!てか俺弱いしすぐ死ぬから守ってくれよお願いだから!!!!」
土下座もします!とその場で綺麗に土下座もする少年。
男の子なのにプライドはないのだろうか。
「うーん、守ってって言うけど君育手の人に許可貰ったから試験受けてるんでしょ?弱いなんてことないと思うけどなあ、実際今日まで生き残ってるわけだし。」
「生き残ったのだって偶然なんだよお!俺は何もしてないのに気付いたら鬼が死んでるの!!多分他の人がやっつけてくれたんだと思うけどそれがなかったら俺みたいな弱いやつとっくに死んでるからね!!?ねえほんと後生だから俺を守ってください!!!」
「うーーーーん………」
少年の必死な形相に少しくらい助けてあげてもいいのではという考えが浮かぶ。
(………まあ実際の剣士達も助け合いながら任務をこなすわけだし、ここでちょっと手助けするくらいなら大丈夫……かな?)
「……分かった、じゃあ一緒に行動しよう!
でも一応試験だし実力も見たいから、私は君に極力干渉しない。危なくなったら助けに行く。これでどうかな?」
「一緒に行ってくれるの!!!?ありがとう!!!!助けてくれるなら全然それでもいいよ!!!!」
やったー!!!と声を上げて喜ぶ少年。
その少年からはとても明るい黄色、喜びの感情の色がはっきりと見て取れた。
「君は泣いたり笑ったり忙しいなあ、
まあいいや、私は雨水A。これからよろしくね!」
「俺は我妻善逸だよ。こちらこそよろしくね、Aちゃん!」
こうして、Aと少年は一緒に行動する仲間となった。
170人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
希乃(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます!現在続きを執筆中ですのでしばしお待ちを…! (2019年5月20日 7時) (レス) id: 2c5a503106 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - とっても面白いです!続きも楽しみにしています! (2019年5月18日 23時) (レス) id: f66f75f695 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:希乃 | 作成日時:2019年5月13日 16時